雀焼き? オマケ 「パスタとは?」
ふと思ったのがパスタの定義である。小麦粉で練ったものをパスタというなら「ちくわぶ」「ほうとう」ですらパスタだ。(パスタの語源は「練る」)
さらにイタリアではそば粉で作ったパスタがある。
北イタリアでは小麦粉ができないのでそばを食べていた。ピエモンテでもパンやパスタにして食べられていた。ロンバルディア州のヴァルテッリーナ (Valtellina)ではつい最近までそばを作っていたという。
現在そば粉は中国やハンガリーから輸入されている。
ヴァルテッリーナはぶどう酒も美味しいが、郷土料理としてそば料理も観光客に人気がある。そば粉をファリナ・ディ・グラノ・サラチェーノと言う。これは「サラセン麦の粉」という意味である。フランス語やスペイン語でもそば粉を「サラセン麦」と言うし、ポルトガルでは「ムーア麦」と言う。アラブ世界から伝えられたからともいうし、肌の色が近いからという説もあるらしい。
ヨーロッパでは小麦粉が高級でパンがまだ主食の位置を占めていなかった時代、トウモロコシやそばが食べられていた時代があった。映画『木靴の木』(L'Albero degli zoccoli:エルマンノ・オルミ監督)では滅多に口にできない高級品として小麦粉が出てくる。パスタとしての料理としてはピッツォケッリpizzocheriがある。そば粉8割小麦粉2割でまさしく「二八そば」、この生地を包丁でスパゲティくらいの細さに切ってキャベツとゆでる。パルメザンチーズ層とフェータという硬質チーズの層の間にそばとキャベツの層を挟み、それを幾層にも重ね溶かしバターをかける。識者によるとブータンの「プッタ」に似ていると言う。
そうすると、そばもそばがきも冷麺もみんなパスタだ。
また、イタリアは有数の米どころである。米の収穫に従事する季節労働者がテーマとなっていた映画『苦い米』(Riso amaro:ジョゼッペ・デ・サンティス監督)で分かる通り米は高級品である。料理としてはリゾットRisotto、アランチーニArancino(コロッケ)、サラダが有名であるが、米のパスタはPastaRisoとして商品化されている。すると米粉を使った白玉、求肥、ビーフン、フォー、米粉使用のもちなど、うわぁみんなパスタだ。かろうじて、「きりたんぽ」「おはぎ」がパスタ定義からはずれるか…
イタリア以外でも南のポルトガル、スペイン、ギリシャ、トルコで米はよく食べられるが、北のドイツでも食べられる。例えばミルヒライスMilchreis(ミルク+米)は多くの人が親しんでいる。大学の学食でランチとして出る場合もあると聞く。米を牛乳で炊き砂糖やジャムで甘くし、シナモンやバニラで香りづけする。温かいものを食べる場合もあるし、冷やして食べる場合もある。但し甘いのでスイーツと思われがちだが、食事である。
筆者はドイツ系の学校に行っていたので、正月料理としてミルヒライスを食べたことがあるが、甘さに抵抗があり、米とは合わないように思えた。おはぎのように「はんごろし」にしたり、もちのようについたりすると甘さに合うのだろうと思っていたら、地方によって「赤飯」は甘納豆を入れて蒸し甘くすると聞いて実際に食したがなかなか美味であった。白みその雑煮に餡入り餅をいれる地域もあるし、お米も砂糖も貴重だった時代の食物だろう。