在特会の実像
私は立ち呑み屋で相撲を見ているときに、嫌韓・反中の考えが国家のドグマに捉われすぎているのではないかと思った。
2014年10月2日の朝日新聞の耕論ページに社会学者の樋口直人氏の「在日特権を許さない市民の会」(在特会)のメンバーの調査そしてその分析が載っていた。
大方のメディアの「分析」は
「社会でうまくいかず、鬱積した感情のはけ口を求めて差別デモに加わる」
というものだった。
ところが樋口直人氏の34人に対するインタビューから、かなり実像は違うことが分ったと言い、メディアで流布されている「ブンセキ」は神話であると断言する。
学歴では大卒24人、雇用形態は正規雇用が30人、ホワイトカラーが22人というもので、「社会でうまくいかず、鬱積した感情のはけ口を求める」層はほとんどいない。
しかも、日常生活で外国人との接点すら持っていない人がほとんどで、在日コリアンの実情をほとんど知らない人ばかりだったと言う。
ある意味驚くが、ある意味納得もした。
知らないからこそあのようなヘイトスピーチができるのだと思ったのだ。
驚くのは、知らないのに誹謗してしまうという論理。
私などは自分に自信がないので、自分が抱く「批判」に懐疑的になりその対象を調べようとするが…
樋口直人氏はそれをこう分析する。
「2000年代、ワールドカップや反日デモ拉致問題で憎悪に火がつき、矛先が在日に向けられた。歴史修正主義に出合ってゆがんだ目には、在日という存在は「負の遺産」で敵だと映った」
そしてその増幅をこう指摘する。
「憎悪をあおる舞台装置がインターネット。「在日特権」なる完全なデマをばらまいたり、反差別がある欧州ならすぐに監視団体が削除させるような妄想が、何の規制もないまま拡散していった」
この耕論のテーマはヘイトスピーチの法規制についてであり、規制すべきという論とそうすべきではないという論が載っている。
私は規制に賛成だ。
野放しのヘイトスピーチは必ずヘイトクライムに結びつく。
犯罪者を作ってしまう可能性があるのだ。
ただヘイトスピーチ規制を法律で守られているデモやアピールの規制に結びつけようとする政治家の存在があるのは残念だ。
私の在特会との出会いは8月15日のデモだった。
私は平和遺族会の人たちと反靖国のデモをしていた。
平和遺族会というのは、太平洋戦争で戦病死した人の遺族の人たちでつくる会で、靖国神社に死者の政治利用をやめることをアピールする会だ。戦病死者の遺族なので皆さん高齢である。
そのとき、沿道に在特会というウチワを持った諸君がいて、平和遺族会のデモに向かって体を寄せるようにして「北朝鮮に帰れ!」というシュプレヒコールを繰り返したのだ。
最初は意味不明で、不思議だった。
今でも意味は分からない。
彼らの激しいシュプレヒコールと、他の団体の人たちの妨害行為で安全性が保てないという理由から一昨年からデモはなくなり、集会だけになった。
言論弾圧などたやすいのだ…