イタリア映画祭 2004 過去ログ転載 | leraのブログ

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開会式より 左からネーリ・マルコレ、マルコ・ベキス、ルイジ・ロ・カーショ



イタリア映画祭 2004.5

 今年のイタリア映画祭には例年と違う意味があった。アメリカによるイラクへの侵略戦争が1年を経過し、その占領統治を補完する形でイタリアと日本が派兵しその両国の国籍を持つ者(日本国籍の者はボランティアやNGOやジャーナリストといった完全な民間人)が人質となったからである。

 日本国籍を持つ者達は解放(映画祭開会時には日本国籍の人質は政治的に開放されていた)されたものの、イタリア国籍を持つ者のうちひとりは殺害され、他の者の解放はまだされていなかったからである。

 今回の映画祭のテーマは「記憶の旅」であり、はからずも近現代史をたどることとなったし、上映作品のひとつ「夜よ、こんにちは」(Buougiorno,notte 監督マルコ・ベロッキオ2003年)は1978年の赤い旅団によるアルド・モロ党首の誘拐人質殺害事件を扱った作品であまりに時代的であった。

 開会式にはイタリアの映画関係者としてマルコ・ベキス監督(「子供たち」)、ルイジ・ロ・カーショ(「ペッピーノの百歩」「僕の瞳の光」「夜よ、こんにちは」「輝ける青春」)、ネーリ・マルコレ(「心は彼方に」)らが出席したが、彼らからイラクへのあるいはアメリカの戦争についての言及は全くなかった。イタリア大使館やイタリア映画振興団体の出席があったからかもしれない。

 映画人として、まさしく「現代」であるそれらの事象に言及がなかったことは、私にとっては大いなる失望でもあった。

上映作品

愛という名の旅 Un viaggio chiamato amore,2002
監督・脚本 ミケーレ・プラチド
撮影 ルガ・ビガッツィ
子供たち
監督・原案・脚本 マルコ・ベキス
向かいの窓
監督・原案・脚本 フェルザン・オズペテク
過去の力 La forza del passato,2002
監督 ピエルジョルジョ・ガイ
撮影 ルガ・ビガッツィ
カテリーナ、都会へ行く Caterina va in citta,2003
監督・原案・脚本 パオロ・ヴィルツィ
心は彼方に Il cuore altrove,2003
監督 プーピ・アヴァーティ
トニオの奇跡 Il miracolo,2003
監督 エドアルド・ウィンスピア
カリオストロの帰還 Il ritorno di Cagliostro,2003
監督・原案・脚本 ダニエレ・チプリ、フランコ・マレスコ
輝ける青春 La meglio gioventu,2003
監督 マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
夜よ、こんにちは
監督・脚本 マルコ・ベロッキオ
撮影 パスクァーレ・マーリ