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分断された米国 不平等は必然ではない

ジョセフ・スティグリッツ(Joseph Eugene Stiglitzコロンビア大学教授、2001年ノーベル経済学賞受賞)がアメリカ合州国の不平等について分析している。

利益は私物化するのに損失(バブルやリーマンショック)は社会が負担するという、まがいものの資本主義によって、独占や寡占が進んだのは政策と政治の責任だと言う。

冷戦の終了によってイデオロギーと利害が非道な形で結び付き、ソビエトの逆相としての「小さな政府」へと振り子が振れ、企業関係者は規制撤廃を叫んだ。

よって企業助成は増え、貧困層の福祉は削減される。
製薬会社は何千億ドルも獲得したのに、メディケイド(低所得者向け医療制度)給付は制限される。

著しい不公正の代償を払ってきたのは米国経済であり、民主主義であり、社会である。
米国はなぜ若者の未来がこうもはっきりと親の所得や学歴で決まる先進国の一員になっているのか。正義の面でもおおきな隔たりがある。

米国の人口は世界の5%なのに、世界の全収監者の4分の1が米国人である。
正義は、ごく一部の人にしか手の入らない商品になった。
ウォール街の重役は08年危機で責任をとらないように報酬の高い弁護士を雇い、法制度を悪用し抵当権を行使し人々を強制退去させた。(私注:米国は居住権より抵当権者が強く、ローンや家賃の不払いがあるとすぐ警察権力によって立ち退かされる)
米国は平均寿命、健康状態、医療受診のいずれにおいても大きく分断された。

市場を市場らしく機能させ、利益誘導型の社会を終わらせなければならない。
不平等の問題は経済問題ではなく、政治問題。
富裕層の特権をなくし相応の税金を負担させることは現実的で公平。
教育や医療、インフラにもっとお金をかければ米国経済は今も、そして将来も力強さを増すだろう。

私見
 企業利益誘導型にシフトしようとしているアベノミクスを彷彿とする。
 法人税減税、消費税増税、福祉給付減額、子どもの貧困の増大など。

備考:6月29日付けNYタイムスに掲載されたものの抄訳が朝日新聞に掲載