ジャズの夜 大阪編 part1 | leraのブログ

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ジャズの夜 大阪編 part1




 2005年12月3日、大阪である集会があり飛行機で向かった。その集会は南森町の大きなホールで行われたのだが、Y事件に関するジャーナリストを中心とした学習会の性格を持っていた。

 その後天神橋筋の小料理屋で20名ほどで交流会があり、終了後すぐ近くの歩いて行けるホテルにチェックインした。二次会の誘いもあったのだが断ったのは大阪のジャズ喫茶を巡る誘惑に勝てなかったからだ。一次会だけで立ち去ろうとする私に「怪しい」と疑念を表明した人たちにはジャズ喫茶巡りをしたいのでと正直に言った。彼らへの配慮もあった。すると大阪にいいジャズ喫茶などあるのか?ときかれ今晩は2軒、明日は香里園の1軒を回ります、というと香里園!という反応があり、それはあまりに遠方であるという驚嘆であった。

 ホテルに荷物だけ置き、すぐ外へ出て地下鉄谷町線で天王寺に向かった。トップシンバルへ行きたかったのだ。私がここで言うジャズ喫茶とは「レコード演奏」が中心の店である。東京を出る時に4軒ピックアップしてきたが、天王寺のトップシンバルは最も行きたかった所でありながら距離があったので第一候補群には入っていなかった。交流会が予想以上に早く終わったので天王寺へ向かったのだが、第一候補群に入っていなかったため詳細な場所は調べていなかった。しかしジャズ喫茶ファンの嗅覚を信じようと思った。明大前の「マイルス」、下田の「ジャズポート」、稲毛の「キャンディ」、浅草の「サムシンクール」など、いままで不思議なことに行き着けた自信もあったのだが、今回はそれが過信であったことがわかった。

 地下鉄から出るところの表示が不正確なこともあり、なかなか見つからなかった。そこで最悪の選択である電話をかけた。電話をかけることがなぜ最悪なのか?まず大きな音量でレコードをかけているところは電話をいやがる。次に電話をしてから行くと、店に入る前に関係性が発生してしまい大変好ましくない場合が少なくない。店側も構えてしまうし、こちらも構えてしまう。

 今回は少なくとも電話の「成果」がすぐに出た。客が私以外居なかったせいもあるが、まず電話をした人かときかれ、次に何でここを知っているのか、どこから来たのか、ときかれた。東京から来たと言うと、今東京にはどんな店がいいのかときくので、浅草に1軒ありますよ、と言うと彼は「フラミンゴ?」と言った。私は「がらん」を想定して浅草と言ったのだが、フラミンゴという名前が出てきて驚いた。しかも彼は何回か行った事があると言う。私もつられるように「フラミンゴでアルバイトしていたんです」と言った。多くの場合これは最悪のジャズ喫茶との出遇いである。完全なる一瞬の空白のみがジャズ喫茶との出遇いであるべきだからだ。

 私がここトップシンバルに来たかった理由は専門雑誌『ジャズ批評』に「昼のコーヒータイムは昔のように大音量でかけています」という一言にあった。当然行った時間は9時すぎのバータイムだから音は小さいし、スムースなものしかかけないことは理解していた。