ジャズの夜 大阪編 part2 | leraのブログ

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ジャズの夜 大阪編 part2

私がここトップシンバルに来たかった理由は専門雑誌『ジャズ批評』に「昼のコーヒータイムは昔のように大音量でかけています」という一言にあった。当然行った時間は9時すぎのバータイムだから音は小さいし、スムースなものしかかけないことは理解していた。

 しかし、その最悪となるべき出遇いはそうはならなかった。マスターはかけていたCDを途中!で止め、「何か聴きたいか」ときいてきた。若かった時を除いて私にリクエストの趣味はない。その店が何を聴かせるかがスリルがあるのだ。よってソフトにお断りした。すると彼は「静かなのがいいか?うるさいのがいいか?」とたたみかけるようにきいてきた。もうこうなっては後に引けない。極めてソフトさを装い「強いて言えばうるさい方が好きですね」と言うと、彼はアート・ブレイキーのナイト・イン・チュニジアのLPを持ってきて「これでもいい?」と私に同意を求めた。私は「いいですね」と答えた。

 彼は音を最大限にしてそれをかけた。はっきり言って素晴らしい演奏であり、素晴らしい音だった。あんなに何回も聴いているのに新しい発見ばかりだった。

 そのA面が終わると、今度はオーディオに興味があるかときいてきた。なぜなら彼の推薦盤にはオーディオ的に興味深いものと、演奏として興味深いものがある、と言う。私がオーディオにも興味はあると言うと、彼はまず席を移れというのだ。私を両方のスピーカーの中央に来る位置に座らせた。

 かけたのはディジー・ガレスピーの1970年のドイツでのライブだったのだが、それはすさまじかった。ガレスピーのオープンとミュートが聴けるのだが、音の大きさ、鋭さ、本当に欠点のないCDだった。ガレスピーの音がまっすぐつっこんで来る、という感じだった。彼が言うにはこのアルバムに関してはレコードは音が良くないと言う。CDがマスターテープを忠実に表現しているのでCDに限るという。

 演奏が終わってマスターとジャズジャイアンツの話になり、彼らが総じて音が大きいこと、ミュートをつけても全く弱音しないことなどを話し、その中でソニー・クリスの名前も出てきた。

 彼は次に演奏として素晴らしいモノとしてソニー・スティットをかけたいと言う。「嫌いか?」ときかれ「けして嫌いではない」と答えると、私が見たこともないジャケットを持ってきて、それをかけた。


トップシンバルの店内とスティットのIN STYLE