映画『グッバイ・ファーストラブ』
まず、映画の題名が問題なのである。
英語のタイトルは GOODBYE FIRST LOVE なのだが、原題は UN AMOUR DE JENESSE なのである。
英語タイトルは俗っぽく言えば「さよなら、初恋」だろうか…ところが原題は定冠詞UNがついている。つまり「ある若き恋(あるいは愛)」といったタイトルで、全然意味合いが違うと言うのは私の特殊な感性だろうか。
ところがこの英語タイトルは監督が気に入っているとの話だ。
この作品の監督は女性であるミア・ハンセン=ラヴ(Mia Hansen-Løve)である。
映画は一言で言うと、「何も入っていないおもちゃの宝石箱」といった趣のある作品で、なかなか愛らしく捨てがたい作品である。
監督はフレンチ・フュメール・ヌーヴェルバーグのひとりで、父親がデンマーク人であり、この作品でもフランス以外にドイツ(ベルリン、デッサウ)やデンマークで撮っている。
2011年フランス公開時はたったの6万人しか入らなかったというが、第64回ロカルノ国際映画祭で特別賞を受賞している。
リセから25,6歳までの女性の軌跡を追っているのだが、それが美化することなく、そしてみずみずしいのだ。
監督の自叙伝に近いというのだが…
本人は女優出身でオリヴィエ・アサイヤス監督の『8月の終わり、9月の初め』で女優デビューしている。
ミア・ハンセン=ラヴの他の作品を観たくなる空気を持っている。
ラストの風で飛ぶ帽子は、虫を囲った帽子だろうか…
2011年フランス=ドイツ映画