小川伸介監督の遺作?「肘折物語」 2006年09月19日
小川伸介監督の遺作「肘折物語」を観る機会があった。
これは山形県のフィリピン花嫁を題材にとった作品であったが、実際には「遺作」ではない。
カメラ(マン)テストの段階で小川が死んでしまったために、ラッシュしか残らなかった。それを土本典昭監督がフィルムをつなげたのだ。
強風に舞う雪を前にして地元の人の話しをじっくりと「撮る」、その手法は「沈黙ですら撮りつづける」と表現された小川の映画術である。
雪の被る稜線から朝日が昇るカメラテストの映像。
除雪車で作った道がある。両脇は雪の壁である。はるか向こうに何かが見える。だんだん近づいてくる。すると太鼓念仏の僧であった。
ラストはキャンディーズの「春一番」がかぶる。
ストーリーもなにもない。題材であるはずだったフィリピン花嫁も出てこない。しかし小川伸介の遺作であることは認識できる。