星陵フィルハーモニー管弦楽団 第50回演奏会 | leraのブログ

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星陵フィルハーモニー管弦楽団 第50回演奏会




 このオケは日比谷高校フィルハーモニー管弦楽団のOGOBで結成されているオケである。指揮者も含めて。




 このオケには特別な思いがある。




 あの秋葉原事件があった時、日比谷オケの卒業生の女性が被害者となって亡くなった。その直後の定期演奏会で、その先輩を追悼しG線上のアリアを演奏した。


 その時涙が止まらなかった。嗚咽も止まらず文字通りの号泣をした。




 その理由は亡くなった女性の可能性が全否定された悲しさであった。


 そして、犯人に対する哀しみもあった。彼が疎外されない生活があったらこんな犯罪を犯さなかったという思いである。




 そして、星陵フィルハーモニー管弦楽団に亡くなった彼女もステージに上がっている可能性があったと思うから、特別な思いがあるのだ。




 一曲目はデュカスの交響詩『魔法使いの弟子』で、ディズニーのファンタジアでお馴染みのものである。聴くのと奏るのとでは大違いの曲で、結構難曲であるが、メリハリのあるコミカルなイメージがあるいい演奏であった。


 トライアングルが愛らしい。




 二曲目はラヴェルの組曲『クープランの墓』。知らない曲で初めて聴くもの。


 同行の作曲家に聞くと元々ピアノ曲で、しかも難曲とのこと。


 今回は「プレリュード」「フォルラーヌ」「メヌエット」「リゴドン」だったが、テンポがそれぞれ違い「不思議感」のある曲想。「メヌエット」ではハープが美しく、「リゴドン」では金管(tp,tb)とダブルリード(obo)がよかった。




 三曲目は目玉のラフマニノフの二番。この冒険心に乾杯。


 弦のスケールを感じ、第三楽章のクラリネットとオーボエが美しく聴き入ってしまう。


 第四楽章はチェロの見せどころ。高校生の時から知っているプレイヤーがいたせいか不安と心配で、余計演奏が良く聴こえる。


 エンディングは圧巻。




 市民オケは学校現場から離れた人たちが音楽に携われる貴重な空間。アメリカやヨーロッパではどこにでもあるのに、日本ではなかなか無い。練習場所の問題もある。




2013526


紀尾井ホール


指揮:今井治人