映画『あの日あの時愛の記憶』
(ネタバレ。いい作品ですので観る方は注意)
まずこの作品の不幸は邦題である。原題はDIE VERLORENE ZEIT(ドイツ語で「失われた時間」)
観客は期せずともポーランド近現代史を辿ることになる。
パルチザンでナチスの強制収容所に入れられているポーランド人青年と、そこに収容されているベルリン出身のヤダヤ女性の「恋」と「愛」の物語である。実話と実例を元にしている。
青年はパルチザンの組織的活動の一環で脱走を企図する。その時「私情」によってその女性を伴う。そのストーリー、描写がたいへんな緊張感を与える。
青年はドイツ軍に家屋を接収されている母のみがいる実家に帰り着き、パルチザン活動のために外に出る。その間、青年の母親は女性をドイツ軍に売り渡そうとする。ユダヤ人差別と、ユダヤ人を匿っていることの危険がその行動をとらせる。
女性は青年の兄の家に逃れる。その兄と兄嫁はパルチザン活動をしていて匿ってくれる。
ドイツ軍が退却し、ソビエト軍が進駐してきて、青年の兄夫婦は連行される。
女性はひとり雪の中、逃亡を図る。
そして1970年代。お互い死んだものと思っていたが、女性はあるテレビ番組で青年が生きていることを知る。すでに夫も子もある。そして、赤十字を通して居場所を探す。
その時のポーランドはソビエト崩壊以前であり、自由化の前である。
その二人が電話で話をするシーンは素晴らしい。
パンフ内の久山宏一氏のエッセイが参考になる。
2011年ドイツ映画
監督:Anna Justice アンナ・ジャスティス
脚本:Pamela Katz パメラ・カッツ