トーキョーノーザンライツフェスティバル2013、三日目5本目の上映作品。監督はノルウェーのアンネ・セウィッツキー。
カメラがいかに被写体を愛おしく思っているかは、キャストの表情で分る。10歳の少女、少年たちの表情が素晴らしいの一語に尽きるのだ。それもとんでもない素晴らしさだ。子どもの表情が素晴らしいというのは、ある意味子どもらしくない。子どもは時として映画では理想像として描かれる、そんな子どもたちではない。さらに街並みも風景も雨も、すべてがいい。
自転車二人乗りのシーンがまた美しく、前カメラと俯瞰とあり俯瞰はどう撮ったのだろうと思わせる。
サイドスドーリーは子どもらしい噂話だが、そこに自らの心理を重ねていく。実際にはかなり事実に即した話だったことが後に分る。
子どもならではの自由な感情と行為の発露が爽快。
「私は変人」と言う。いや子どもはみな変人。大人から見て変なだけで実はとても全う。権謀術策も対象に対するひとつの関心でしかない。そして心のゆらぎも打算もないだけ自然なのだ。
友人や「敵」や親や親代わりの親族や兄弟との関わりの中で知見を得ていく。同質ではないから、知見が得られるのだ。
監督の力というより、スタッフ全員の丁寧な時間のかけかただと思う。そんな映画製作の現場に羨望を感じた。
まだ2月半ばであるが、私の今年度ベストワンの予感がする。
原題はJorgen+Anne=sant
これはノルウェー語でヨルゲン(男の子の名)+アンネ(女の子の名)=真実といった意味。英語タイトルは、
Totally True Love
83min
監督:Anne Sewitsky
2011ノルウェー 英語字幕あり
