芦川いづみ礼賛 | leraのブログ

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leraのブログ-izumi ゴールデンウィークは例年のごとくイタリア映画祭で明け暮れたが、その後に芦川いづみが待っていた。

 昨年11月にDVDボックスセットが発売され、売れ行きがよかったため、なにか効果があるだろうなとは思っていた。

 すると神保町シアターで「きらめく女優たちパート2」企画で「可憐な娘(ひと)たち 守ってあげたい芦川いづみ」特集が5月7日から5月20日まで全14作品を上映する。

 ラピュタ阿佐ヶ谷では5月1日から6月22日まで「日活青春グラフィティ 泣いて、笑って、突っ走れ!」とタイトルされた特集で、芦川いづみ作品が7本上映される。

 神保町とラピュタとで重複はないので21作品が上映される、という「異常」事態が発生しているのだ。

 芦川いづみは、判明しているだけで106本の映画に出演しており、最も出演作が多かった1956年と1959年は1年で11本の作品が劇場公開されている。
 次に多かったのが1957年と1966年の年10本である。

 1968年9月封切り作品を最後に、結婚して完全引退してしまった。

 この数字から大スターだったことがわかる。
 単に出演数から言えば中北千枝子の方が多いかもしれないが、芦川に関しては、ほとんどが主演か助演である。

 もうすでに何本か観ているが、可憐とか清楚という言葉は彼女のためにある、と思う。しかしいつも思うのだがファッションの素晴らしさもある。
 『しあわせはどこに』で、鳥取に帰郷する恋人を東京駅に見送る時。麻(多分)の黒のノースリーブのブラウスにプリントのフレアスカート、そして笑顔が素晴らしい。

 湖に遊ぶ時、白いエリのついた小さな花柄プリントのワンピース。
 そして『東京マダムと大阪夫人』での北原三枝のサマードレスは、白黒のノースリーブのボーダーで、胸がスクエアに開いていて、ウェストを強調する太いベルト。なかなか素敵なのだ。

 芦川いづみにしてもウェストを強調している。

 ウェストを強調するファッションはコルセットを連想させ、ジェンダー的には問題があるのかもしれない。
 NHKの大規模なアンケート調査によると、男性は女性のウェストに目がいくとのことで、それはその人が肥っていても痩せていても関係なく、ウェストと体躯と較べた差の大きさが一番のセックスアピールだという。

 衣装に関しては、当時の映画はデザイナーがいちから作った。多くは森英恵や柳生悦子だが、監督やストーリーからデザイン画からおこしたのだ。贅沢というば贅沢だった。

 現在でも皆無ではないが、スタイリストが「商品」の中から俳優に着せる場合も少なくない。スポンサードされているケースもあるから、けして自由ではない。

 『東京マダムと大阪夫人』は芦川いづみの実質的デビュー作である。実際にはその前に2本ある。
 出演者ロールでは2面目通算7人目に登場し、「下町の娘さん」となっている。
 この作品は川島雄三の良質のコメディである。

 1953年という、敗戦から何年も経っていない時に、敗戦色を全く感じさせないコメディを作っていたのだ。