めでたく平原の優勝で幕を閉じたダービー。その決勝戦は自力単騎が4人という稀な構成でした。
推しの優勝で狂喜乱舞した私ですが、同時に「単騎勢が勝たなくて本当に良かった」という安堵もありました。
単騎の選手は勝つべきでないし、いかなるときも単騎は圧倒的に不利であるべきだと思ってます。そうでなければ単騎を選ぶ選手が増えてしまう。
私は単騎が嫌いです。
それは、ラインの絆がーとか、恩返しの発進がーといった感情論ではなく、純粋に競技のメカニズムの問題です。
先頭で風をきる者、他者の追撃を退ける者。そういったラインの役割分担があるからこそ、仕掛けの順番やタイミングなどの戦略が生まれる。
選手同士で作戦を練り、それを客が予想する。選手も客もライン単位で動くレース展開を論理的に考える。その読み合いが勝利につながる。
競輪というギャンブルが他のレース競技と一線を画す戦略性に富んだ種目である理由です。
それが単騎ばかりのレースになると、どうなってしまうでしょう。
レース展開はライン数の階乗だけあり得ます。
3分戦なら3!=6通り
4分戦なら4!=24通り
5分戦なら5!=120通り
6分戦なら6!=720通り
ダービー決勝は単騎も数えて6分戦だったので、例えば最終ホームの並びだけでも720通りものレース展開があり得たわけです。
こんなカオスでは戦略を練りようがありませんね。選手は出たとこ勝負。客は個々の力関係や好みだけで車券を選ぶ。
そんな運否天賦なギャンブルなら、やらない方がマシです。
つまり、単騎ばかりのコマ切れ戦は競輪の戦略性という価値を貶めていると言えます。
出場選手の優劣によらず、コマ切れ戦はそれだけで価値が低いし、二分戦、三分戦はそれだけで価値が高いと思います。
なので、番組はできるだけ長いラインができるよう編成すべきだし、選手は安易に単騎を選ばず、できるだけラインを組むよう努めるべきだと願っています。
絆とか恩義とかプライドとか後まわしでいい。地区が違おうが、義理があろうが無かろうが、まずはラインを組め!と言いたい。
競輪のアドバンテージである戦略性を守るために、とにかくラインを組め!と言いたい。
選手がそうあるためには、単騎が頻繁に勝つようではいけない。単騎は常に圧倒的に不利な選択でなければいけないのです。
だから私は単騎の選手が1着を取るレースを見ると苦々しく思います。
単騎1着車券を買うことは殆どありません。
とはいえ、もし平原が単騎になる競走があればどうしよう。迷った挙げ句、平原アタマで買うかもしれません (^o^;)
平原の単騎はめったにないことだけど、例えば年末のグランプリならあり得る。
そうならないためにも、眞杉、坂井、吉田拓、武藤龍あたりには、今後のG戦線を頑張って勝ち抜いてほしいものです。
ライン戦で。