IAサーバーの仮想化メモ -11ページ目

WSFCノードにドメインコントローラーを構築できるか?

ご存知の方も多いと思いますが、先日質問いただいたので備忘録も兼ねて書きます。

Windows Server Failover Clustering(WSFC)は、Active Directory環境が必須です。
それでは、ドメインコントローラーをWSFCの構成ノード上に構築できるか?という点が、本エントリーの主旨になります。
「わざわざ別サーバーを用意してドメインコントローラーを構築するのはもったいない・・・」という発想ですね。

この点に関しては、Microsoft社からKBが公開されています。以下です。

Windows 2000, Windows Server 2003, and Windows Server 2008 cluster nodes as domain controllers

そして、このKBには以下のような文言が記載されています。

"It is not recommend to combine the Active Directory Domain Services role and the Failover Cluster feature on Windows Server 2003, Windows Server 2008, or Windows Server 2008 R2"

WSFCの機能とドメインコントローラーの役割を同一コンピュータ上に導入することは推奨しない、となります。

ちなみに、上記はWindows Server 2003, Windows Server 2008, Windows Server 2008 R2が対象ですが、
Windows Server 2012に関しては、以下のような文言が記載されています。

"It is not supported to combine the Active Directory Domain Services role and the Failover Cluster feature on Windows Server 2012"

Windows Server 2012に関しては「サポートしない」となっているので、旧Windows OSに比べると厳しいですね。

上記より、Microsoft社の推奨は「ドメインコントローラーをWSFCノードとは異なるサーバー上に構築する」、ということになります。

VMFSのUUIDについて考える①

きっかけは、以下のイメージ図のようなバックアップ運用案を持ちかけられたことが発端です。

通常運用時は、バックアップとしてストレージのコピー機能でVMFSデータストアをコピーしておき、
障害が発生した場合に、コピー先のVMFSデータストアをESXiホストにマウントして仮想マシンを復旧する、
という運用案です。(下図参照)

このような場合、VMFSのUUIDの重複に注意が必要になります。

$IAサーバーの仮想化メモ-VMFSのコピー


VMFSデータストアには、UUID(Universary Unique Identifier)と呼ばれる固有の識別子が割り当てられています。具体的にはVMFSのメタデータに格納されており、データストアごとに一意の値が設定されています。

1台のESXiホストに対して複数のLUNをVMFSデータストアとしてマウントした場合、通常はそれぞれ異なるUUIDが自動的に設定されます。
しかしながら、上記のようにストレージのコピー機能などでVMFSデータストアの複製を行うと、同一のUUIDを持つVMFSデータストアができてしまいます。
UUIDはファイルシステム上に保管されており、コピー機能で複製した場合はUUIDもそのままコピーされるからです。

それでは、上のイメージのように、同一のUUIDを持った異なるデータストアをESXiホストにマウントできるかというと、これはできません。
このような場合、UUIDの再署名が必要になります。

UUIDはesxcliコマンドを実行することで確認することができます。
esxcli storage filesystem list コマンドを実行するとデータストアの一覧が表示されます。
同時に各データストアのUUIDも表示されます。

$IAサーバーの仮想化メモ


上記はコマンドの出力結果の例です。
UUIDは、--<ランダム値>-という形式です。

次回のエントリーでは、実際にVMFSデータストアをコピーするとUUIDがどのようになるのか確認した結果と、UUIDの再署名について書きたいと思います。

VMwareの気になるKB②

VMwareの気になるKB第二弾。
最近、NIC関連の問題が多いので、ちょっと調べてみました。

VMware KB: tg3 NIC becomes unresponsive in vSphere


これはBroadcom社製の1Gb NICで起こる問題です。

VMware KB: Intel native igb driver reports incorrect or duplicate MAC addresses for interfaces of multiport i350 rNDC across ESX hosts

VMware KB: Low virtual network I/O performance with Intel 1Gbps NIC using igb driver

こちらはIntel社製の1Gb NIC。

VMware環境でネットワーク周りでトラブっている方は、上記を参考にしてください。
他にもEmulex社製のNIC等、検索すれば結構Hitするのではないかと思います。。。

VMware導入時におけるNUMA対応サーバーのメモリー配置

昨今のサーバーには非常に多くのDIMMスロットが搭載されており、搭載可能なDIMM数や容量が非常に増えています。

NUMA対応のサーバーにVMwareを導入する場合、適当にDIMMを搭載していいというわけではないので、注意が必要です。

以下のKBが参考になります。

VMware KB: Ensuring your hardware is functioning correctly

上記のKBに、以下のような文言が記載されています。

The main requirement is that a similar amount of memory is installed beside each processor. If the amount of memory installed beside each processor is not not similar, it is unbalanced and you might experience performance problems.

したがって、基本的なルールは、各CPUに直結するメモリーチャネルに均等に配置する、ということになります。
「均等に配置する」、というのは、「各CPUに直結するメモリーチャネルに搭載するDIMM枚数を同一にし、かつ合計容量を同一にする」、ということです。
不均一なメモリー配置にした場合、ESXiの導入に失敗したり、パフォーマンスが低下したりする場合があるようです。

<その他の参考情報>

VMware ESX requires that NUMA system memory be balanced - IBM BladeCenter and System x

VMwareの気になるKB①

VMware KB: Customizing a Windows virtual machine fails during the clone or deployment process in VMware vCenter Server 4.0.x/4.1.x/5.0.x


ゲストOSのコンピュータ名や組織名に、&, <, >, ", ' といった記号が含まれていると、カスタマイズ仕様を使ったデプロイに失敗するようです。
Windows Server 2008 R2およびWindows 7のゲストが対象。


VMware KB: ESXホストのvmkernelログのサイズと数の制御


日本語訳されているのはありがたいですね。
/var/logに出力されるvmkernelログの設定確認と設定変更の方法について書かれています。
Hostd, vpxa, vpxdのログについても、同様のKBが出ています。
(上記KBにリンク先が書かれています。)