大河ドラマ『光る君へ』“勝手に解説”~第十七回(1)ー①道長と一条天皇の思惑 | 愛しさのつれづれで。〜アリスターchのブログ

大河ドラマ『光る君へ』に関して、勝手に、私感含めて書いております。ネタバレは~という方はご注意ください。

読み進む前に「はじめに」をご覧いただければ幸いです。

 

 

 

 

 

『光る君へ』第26回から27回まで、怒涛の展開でしたね〜。流れはちょっとかけ足気味でしたけど (^^;)

という訳で!この時期に起こっていたことを、彰子周りを中心に見てみましょうウインク

 

 

第十七回 彰子入内と一条天皇 

 

(1)彰子入内の準備

①道長と一条天皇の思惑

長徳四年(998年)八月十四日の『権記』には、道長がまたしても辞表を提出し、やはり一条天皇がこれを拒絶したことが記されます。

しかしこの時は「此の次いでに雑事を仰せられること巨多たり(中略)此の外(ほか)仰せらるることの秘事は書かず」とあり、何か重要なことを一条天皇に奏上するよう、道長が行成に命じたことが分かります。この記述は「温樹やしの木を語らざることを庶(こ)い幾(ねが)わんが為なり」と続いています。

ここでいう「温樹」というのは、宮中の温室殿にどんな木が生えているのかと家人に聞かれても、黙って答えなかったという故事に基づく造語です。(『漢書』孔光伝、『蒙求』)温室殿にある木についてどんな人であっても語らない、つまり「朝廷内のことをみだりに口にしない」という意味で、慎み深さの例えとして用いられます。

この時道長は朝廷に関することを語り、それは娘の彰子の入内についてではないかと考えられます。行成は一条天皇の元へ行き、道長の辞表と「秘事」について奏上。一条天皇が「秘事」について答えると、そのまま詮子の在所を訪れランニング翌十五日に一条天皇の答えを道長に伝えています。(『権記』)

一方の一条天皇は、十月二十三日に藤原隆家を兵部卿に任じるなど、人事に力を入れています。隆家が任じられた兵部卿は、武官の人事一般や軍事一般を掌る兵部省の長官で、正四位下に相当します。一条天皇は隆家の復帰の足場固めをしたようです。

 

右矢印(2)ー①に続きますニコニコ