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サラリーマン社長のムービートラベル

監督マイケルナイトシャマラン。やっぱりこの人、才能あるんだわ。今回は正々堂々、本格派サスペンスで勝負。よくできました。彼を世に送り出した作品「シックスセンス」のように「だまし絵」的な作品が彼の持ち味やけど今回はそれを封印、まさにドラマティックなサスペンスの王道を行く作品を見せて貰いました。まさにヒッチコック張りのおもしろさ、そして完成度の高さです。

ジョシュハートネット...雰囲気がらりと変わったねー。「パラサイト」や「パールハーバー」の好青年がねぇ。おまけにシャラマン監督の娘が出演者として、と言うよりジョシュとW主演です。この人、サレカナイトシャラマンて言うんやけどそんじょそこらの親の七光りではありません。シンガーソングライターでありながら、音楽プロデューサー。そして女優業もこなすと言う才人。この作品ではそのまま自分を投影したようなキャラクター、レディレイブンと言うスーパースターを演じてます。あんまり比べるのもなんやけど、どっかの国の世襲議員とは根性の入り方が違います。それはともかく、おもろかった―。よう出来てると思いましたわぁ。たまーに、なんじゃこれ?と言うような、ズッコケる作品を作ってしまう監督さんやけど実力、才能をやっぱり兼ね備えてるなぁと改めて認識しました。

消防士のクーパーは愛娘ライリーのために若者のカリスマ的トップアーティスト、レディレイヴンのコンサートのチケットを手に入れることができた。レイヴンはライリーにとって神のような存在。父とコンサート会場へ来た彼女はもう有頂天。会場はライリーのようなティーンエージャーたちで溢れかえっていた。だが、クーパーは会場の異様な警備体制に違和感を感じた。無数のテレビカメラ、警備員、そして警察官だけでなくスワットまで配置されている。クーパーは親しくなったショップの店員にこっそりと聞いた。

「何なんだ、この警備は?」

「誰にも言うなよ、今日この会場に、今、世間を震撼させているシリアルキラー〝ブッチャー〟が紛れ込んでいるって言うタレコミがあったんだ。このコンサートは言わばトラップ(罠)さ」

会場にはFBIの心理捜査官グラント博士までが到着した。3万人の大観衆に300人の警察官が目を光らせる。稀代の殺人鬼ブッチャーはどこに隠れているのか?実は優しい父親の仮面を被ったこのクーパーこそ〝ブッチャー〟だったのだ。蟻のはい出る隙間もないこの警備体制の中、クーパーは天才犯罪者の知能を駆使し脱出を図ろうとする。

 

アイデアが凄い!スーパースター、熱狂する大観衆、優しい父、愛しい娘、鉄壁の監視体制。今回はオカルト的なものもSF的なものもない。正真正銘のサスペンス。シャマラン監督と言えばラストで大どんでん返しがあるのが売り。だけど本作では最初から犯人はわかっているし、観客の注目点はただ一点、凶悪犯の要塞のようなコンサート会場からの脱出です。水も漏らさぬ警備体制。それに対する凶悪犯の武器は天才犯罪者の知能と3万人の興奮した観客、そして優しい父親の顔。この丁々発止の駆け引きがクライムストーリーを盛り上げてくれます。いやあ久しぶりに出来たサスペンス作品に出合いました。

「シックスセンス」でええーっていままで観たこともなかった新鮮な衝撃でマイケルナイトシャマランの名が心に刻まれ、「アンブレイカブル」でズッコケて、「サイン」でびっくり、またまた「ビレッジ」で滑って、「ああ人を驚嘆させるのが趣味の監督さんなんや、けどようわからん監督さんやな」と思っていたのが...やっぱりうまいんやこの人。

 

 

 

 

 

 

 

2週間ぶりの投稿でございます。先週の連休は添乗業務のために映画鑑賞はお休み。9月から添乗が続いております。先週はしまなみ海道から道後温泉だったんですが、城の階段を登るのがもうえろうてえろうて...まあこの年になって添乗業務をやってるもんはそうおりません。こういうのは若い人の仕事やね、やっぱり。瀬戸内海に浮かぶ因島にある因島水軍城は急坂の連続でようやく登り切ったと思ったら城まで150段の階段。これはきつい...。翌日は松山城。ここは何度も行ってるんやけど...おいおいおいおい、松山城って城まで行くのこんなしんどかったか?60過ぎたらやっぱりこの仕事はきつい。きついけど他にやってくれるもんはおらん。クタクタになって帰ってきたら、小泉スンズロウくんやないけど「黄昏てます...」

苦闘のしまなみ、道後の添乗から帰って来てみた映画が話題の「ジョーカー/フォリ・ア・ドゥ」。ジョーカーの狂気の恋人ハーレイクイン役にレディガガを迎え、どことなくなんか期待してたんやけど結論から言うと...あかんわ、なんじゃこれ?ってな感じです。よもやのミュージカル仕立て、悪のカリスマ、狂気の道化師はどこへやら。ただの...こんな言い方あかんのかな、精神疾患の患者として始末。これってあくまでも「バットマン」のスピンオフ映画ですよね。バットマンとの戦いに至るまでを描いてほしかったな。まあ、観客と作り手との主人公に対する人物像の乖離はあるにせよなんとも残念無念。

5人を殺害し、そのうち一人はテレビの有名司会者を生放送中に殺害すると言う狂気の男ジョーカー。彼は果たして稀代の悪党なのかそれとも心を病んだ精神病患者なのか。悪の蔓延る町ゴッサムシティではマスコミも世論もジョーカーことアーサーフレックの話題で持ちきりだった。残虐非道の悪党として処刑台へ送ろうとするハービーデント検事を中心とするジョーカーを憎む一派とあくまでも彼を精神疾患の患者として守ろうとする弁護士やこの鬱屈した世界に風穴を開けてくれたと狂喜する彼を英雄視する者たちとに真っ二つに分かれ、世論は沸き返っていた。だがジョーカーはアーサーフレックとしてゴッサムより橋一つ隔てたアーカム州立病院に隔離されていた。

アーサーは病院内の警備員たちに毎日小突かれ、精神安定剤を毎日、口に放り込まれ、去勢されたような毎日を過ごしていた。ある日彼は強制的に病院内の合唱隊に参加させられた。そしてそこで運命の女リークインゼルと出会う。リーもまた親に精神病院に放り込まれた一人だった。二人はたちまちのうちに意気投合した。ある日、病棟内で映画鑑賞中にリーが放火騒ぎを起こし二人は脱走を図るが寸でのところで捕らえられ独房に入れられる。だがアーサーの眠っていた感情はリーの登場によってかき乱されジョーカーとしての感情を呼び覚ますこととなる。

やがて裁判が始まる。病院を退院したリーはジョーカーの裁判に足を運び彼を激励する。狂気の愛にのめり込んでいく二人。裁判の行方は...。

 

ウーッ、残念!前作「ジョーカー」同様、監督はトッドフィリップス。果たして、ミュージカルを想定してガガを起用したのか?ミュージカルにするなら出演するとガガが言ったのか?はてさて出演の決まったガガがミュージカルをごり押ししたのか。そんなことはだれにもわかりません。結論としていえることは私としては受け付けられないと言う事。思えば前作の「ジョーカー」は悪をこんなに賛美していいのか?残虐性、カリスマ性、その特異性にアメリカでは上映禁止の州も出ました。良くも悪くもそれだけの破壊力がこのキャラクターにはありました。ですが今回の彼は結局はシャバには帰れません。物語は殆んどが塀の中と法廷です。何の破壊力もカリスマ性も残さないまま塀の中で悶々として日々を過ごします。やっぱりレディガガはインパクトが強すぎたか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先週9月27日~29日は沖縄は宮古島へ添乗のためこの投稿はお休みいたしました。広々としたリンクスのゴルフ場でナイスショット!眼下に広がる青い海を堪能!と言うところだったんですがなんと☔。しかもドッしゃ降り..せっかくの宮古島の大自然も魅力が半減。御参加の皆様におかれましたは大変お気の毒な状況でした。しかしアグー豚のしゃぶしゃぶに宮古そばと多少はお喜びいただきましたでしょうか。で、その真っ最中に自民党の総裁選ですわ。一回目の投票結果、我らが高市早苗181票でトップ、2位石破茂154票とこれはいよいよ日本初の女性宰相誕生やあ! と思いきや、ホテルにチェックインしてテレビを見ると決選投票の結果、世紀の大逆転!石破茂215票、高市早苗194票...。おいおいおいおい、なんでこうなんねん...よっぽど高市さんに総理になられたら困るやつが多いんやなあ。ネット界隈では増税なんとかメガネが暗躍やあ、女性閣僚云々ていってたおばはん議員が何で石破にいれるんや。だれが裏切った、カツカレーの数と票の数があわんなどとえらい騒ぎです。ああ無情!最後の最後で無念!もうそこまで届いていたのに...と言ったところです。女性総理が見たいわけやない。揃いも揃った自民党の媚中売国奴たち。そのなかで高市さんは際立っています。政策、信念、すべてにおいて彼女の右に出るもんはおりません。彼女を押す理由は多々あります。けれどたった一つ理由を挙げろと言うのなら「中国とタイマンを張れる人」この一言に限ります。北の方ではロシアのゴロつきどもが「北海道はロシアの領土」などとほざいております。今は国難、アメリカ頼み一辺倒じゃあきません。自国は自分たちの手で守らんと。とにかく石破を引きずり下ろそう!まだまだ諦めへんで、高市総理誕生を。

 

そして二週間ぶりに観た作品が「シビル・ウォー」。この作品、決して絵空事ではない恐ろしさがあります。遠巻きながら日本の総裁選とも無縁ではないのです。日本の同盟国たる大国、アメリカ合衆国が分断された後の世界が描かれます。内戦=CIVIL WAR なのです。あまりにも暴力描写が激しいためか15R指定。朝鮮、ベトナム、ユーゴスラビア、カンボジア、アフガニスタン、ソマリア、リビア、エチオピア...道路に累々と転がる屍。そんな光景がもしアメリカで繰り広げられることになったら...。しかも現実世界ではアメリカ大統領選直前です。

分断そして内戦...アメリカ合衆国は19もの州が離脱しテキサス・カリフォルニアの同盟からなるいわゆる「西部勢力」が政府軍と各地で激しい戦闘が繰り広げられていた。大統領の「我々は歴史的勝利に近づいている」との言葉も空しく、合衆国政府は風前の灯火であった。

混乱の続くニューヨークで戦場カメラマンのリーは記者のジョエルとワシントンDCで大統領の単独インタビューの敢行を決意。だが公共の交通機関はすべてストップし、ハイウェイも遮断された現状では取材車で一般道を走破するしかなかった。しかもこの無謀な取材にリーの恩師であるベテラン記者のサミーとリーに憧れる駆け出しカメラマンのジェシーが同行することになった。

道中、ガソリンスタンドに立ち寄った時、武装した男たちと遭遇。2人の有色人種が拷問を受け息も絶え絶えに吊るされているのを発見。ジェシーは動揺しカメラを向けることさえできなかった。怯えるジェシーの横でリーは平然とシャッターを切り続ける。

次の日、一行は武力衝突する民兵グループに密着することが出来た。今度はジェシーが民兵たちに張り付き次々とシャッターを切り続ける。ようやく彼女はリーに認められることになる。

避難キャンプで一夜を明かした後、一行は人影のない農場に通りかかる。不審に思ったその瞬間、どこからともなく銃弾が飛んできた。納屋の物陰で応戦していた軍人たちに「指揮官は誰だ?」と問うと「そんなもん知るか」と言う驚くべき返答。もはや合衆国はカオス状態なのだ。

ワシントンDCに近づくにつれ段々と不穏な空気が流れる。一行は何者ともわからない武装集団に捕らえられる。一人の武装兵が一行にライフルを向け「お前の出身地は?」と一人一人に問いかける。彼らは大量の民間人の遺体を処理しているところだった。絶体絶命...その時、機転を利かせたサミーが車で突っ込んできた。間一髪のところを脱出。しかしこの時、被弾したサミーが命を落とす。

大きな犠牲を払いながら西部勢力の前線基地であるシャーロッツビルに到着。リーたちは西部勢力の軍と同行することを許され、いよいよホワイトハウスに迫る。

 

おっそろしいなぁ。この物語は分断の果てに繰り広げられる混乱、戦闘、虐殺の姿をニュヨークからワシントンDCへのロードムービーと言う形で二人の女性カメラマンの目を通して描かれてます。まず世界各地の惨状をレンズに収め続けていたリーは完全に麻痺しています。ですがこの旅の途中でほんの、ほんの少しづつ正常な間隔を戻しつつあります。それがラストの悲劇を生むわけですが...。一方ジェシーは猛烈な衝撃を受けます。しかしそれが正常な間隔です。しかしその正常な感覚が逆にだんだんと麻痺していきます。リーを演じているのがキルスティンダンスト。「インタビューウィズヴァンパイヤ」の吸血鬼の少女がすっかり中堅、ベテランのうまい女優さんになりました。ジェシーを演じたケイリースピーニー。新進気鋭の女優さん。観終わって気づきましたがつい先頃、鑑賞した「エイリアン:ロムルス」でシガニーウィーバーの立ち位置を踏襲するがごとくヒロインを演じた女優さん。ハリウッドはこういう人たちが次から次に現れます。この作品で私をはっとさせたのが人影のない農場で銃撃を受けるシークエンスの1シーン。応戦する軍人に「指揮官は誰だ?」と問うところ。「そんなもん知るか」...指揮官が誰かさえわからない、このカオス。どこかで観んかった?古い映画ファンでないとわからんかな?監督フランシスフォードコッポラ、1980年公開の「地獄の黙示録」。密林のジャングルと閑静な都市郊外の大きな差はありますがこれは同じシチュエーションです。45年経った今でも「誰のために戦っているのか」「何のために戦っているのか」「誰を相手に戦っているのか」戦場の狂気は変わりません。

正直、分断となるの過程まで描いてほしかった。それから当然、アメリカがこうなれば世界各国が動きます。中国は?ロシアは?そして我が日本は?当然アメリカ以外の各国の観客たちは?そこも注視するはず、失礼ですが中東やアフリカ大陸の国々とは違います。それからあのアホな大統領は誰がモデル?まさか...。現実世界ではアメリカ大統領選直前。分断された理由なんてアメリカ国民は描かなくてもわかってるんでしょうね。なんか恣意的なもんを感じます。

おそらくアレックスガーランド監督は分断の理由よりもカオス状態となった大国そのものを描きたかったんでしょうね。その題材の視点が人によって違っているのは仕方がありません。しかし良くも悪くもアメリカ合衆国と言う国家は世界中の国々に影響を与えています。同盟国は勿論、敵対するいわゆる東側、共産圏の国々にもです。分断しました。よってこんな悲惨な状況に陥っています...だけではいかがなものかと思うんですが、いかがなもんでしょう。