クラブ・ゼロ | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

先週は体調不良のため日曜の映画鑑賞はお休みさせて頂きました。お客さんや業者の方、友人、親戚...「体の調子はどないや」としょっちゅう声をかけて頂きます。有難いことです。この12月で今の新薬投与を受けてから丸三年になります。おかげさまで数値は健人の平均数値より良く、CTの映像も膵臓の大きさは健人と全く変わらない大きさ。これをずっと維持し続けています。しかし、とは言っても抗癌剤であることに変わりはありません。年齢もあるんやろうけど何もせんかってもしんどい時がありますわ。けど、ステージ4と言われて目の前が真っ暗になった時のことを考えると今は...同じ癌で絶望的になられている方々、自分がこんなこと言うのは何なんですが毎年、新たな薬が認可されています。日本は認可されるまでの道のりが長いんですけどね、希望を捨てずに頑張りましょう。

 

今回鑑賞した作品はこの健康や体調管理にも十分かかわりのある作品です。テーマは「食」。ある学校に革新的な栄養学の先生が赴任してきます。彼女の教えは「食べない」こと。まあ暴飲暴食の若者を抑えるにはいいかも知れませんが、これが度を過ぎると...一種カルト宗教並の話になってしまいます。育ち盛りの若者に過激なまでの教えが施されて行くと言うお話し。人間が生きていくために必要な「食」が題材となっていると同時にことは「洗脳」だとか「解放」果ては「覚醒」と言う話にまで発展していきます。

文武両道、学歴、スポーツ、芸術など子供たちの持つ能力を最大限に伸ばすことをモットーとした学校、〝THE TALENT CAMPUS〟に栄養学の専門、ノヴァクと言う女性教師が赴任してきた。彼女の教鞭はまさに革新的なものだった。意識的な食事「食べないこと」が細胞を活性させ、力強さ、体力、病気の治癒、新陳代謝、寿命の延長など様々な効果をもたらし、地球の環境保全にも繋がると言うものだった。彼女の授業を受講する者は環境保護、自制心を鍛える、持続可能な生活、奨学金を得るため、とさまざまであったがノヴァクの教えは生徒たちに確実に浸透していく。一方、生徒たちの家庭環境にもさまざまな問題があった。トランポリンの選手であるラグナは毎回、父親がベジタリアン料理の腕を振るう、エルサは常に外見に気を使い、母親と共に少食だが父親に反対されている。フレッドは両親が幼い兄妹とともに海外出張に出たままで帰って来ない。彼には全くの無関心、週末も寮で過ごしている。ベンは学業優秀だがシングルマザー。よって母親が作る料理を食べなければ悲しませると感じている。そのためノヴァクの教えには否定的である。だが、そんなベンでさえもノヴァクに心を開き、彼女の食事療法を実践していくことになる。彼女は「食べないと死ぬ」と言うのは単なる人の思いこみだと教える。受業は次の段階「モノ・ダイエット」へ進む。一度の食事で一種の食べ物だけを摂取することで心身に有害なものを排除すると言うもの、一切れのポテトをナイフで切って食する...そしてついに彼女の授業は最終段階へ。ノヴァクは「何も食べない人達による世界的団体」、「クラブ・ゼロ」を生徒たちに紹介し、自分もその一員だと打ち明ける。生徒たちが「何も食べないこと」を実践し始める。事ここに及んで親たちがざわつき始めた。父母会はノヴァクの解雇を求めるのだが...。
 

この物語の元ネタは「ハーメルンの笛吹き男」だそう。

鼠の大量発生に悩まされていたハーメルンの住民がどこからともなくやって来た「笛を吹く男」に大金を払うことを条件に鼠退治を依頼する。笛を吹き、鼠たちを川におびき寄せて溺れさせ、見事退治したのだが、住民たちは彼に大金を払うことを阻んだ。その夜、男が吹く笛に吸いよせられた町中の子供たちが忽然と姿を消した...。

この作品に出てくる大人たちもこれと似たり寄ったり、自分の思うように操ろうとする者、全く無関心の者...いやはやである。

ところでこの物語の舞台はどこ?このユニフォームからオーストラリアかと思ったがクリスマスには冬服を着ていたし、アメリカ?ヨーロッパ?舞台がはっきりすればその国の抱える教育事情、家庭事情も分かるんやけど。

この作品で新任教師ノヴァクを演じたミアワシコウスカ、不気味ですよねー。何を考えているかわからない。教祖様のような役をやる彼女が主演のこの作品はある種、ホラー映画です。しかしいかんせん退屈すぎた。最後は何や判らんうちに終わってしまって。そうそうこの不気味さ、この後味悪さは「ミッドサマー」によう似てるわ。だけど育ち盛りの子供たちに飯を喰わさんと言うのはどう考えてもおかしいです。飢えたら死にます。それは迷信て...やっぱり理解できない話。この作品、真のテーマは「食」についてよりもやっぱり「ハーメルンの笛吹き男」やろな。子供に無関心、あるいはマウントをとるような親たちへの警告と言うのが作品の趣旨やない?

それにしてももったいないわな、ミアワシコウスカと言うベストなキャスティングをしておいてもうちょっとな―、どっかメリハリが欲しいかなー。