ラストマイル | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

インターネットの普及により、現代社会は非常に便利になりました。けどその「便利」と言う言葉の中の歪から生

まれた数多くの問題が生まれました。先日公開された「ラストマイル」には現代社会の象徴と現代社会が抱える問題となるキーワードがたくさん登場します。「通販サイト」「物流業界」「宅配」「超過勤務」「派遣社員」「過重労働」「格安賃金」。消費者が家にいて簡単に買い物ができる世の中になった分だけ苦悩し苦しむ人々がいます。宅配商品の連続爆破事件を追うと言うサスペンスのスタイルをとりながらこの作品は、完全に社会派ドラマです。

作品中に出てくる「我々はお客様に商品を届ける一番最後の『ラストマイル』だ」と言うセリフはまさに現代社会に一番苦しむ人々の言葉であり一番重要なポイントでありながら一番虐げられている個所です。きつい労働環境、安い賃金。豊かになったはずの世界で我々は何か勘違いしていないか...。

11月流通業界最大のイベント、ブラックフライデーの前夜。アメリカに本部を置く最大の通販サイト「デイリーファスト」から配送された商品が顧客に届けられた途端、爆発を起こす事件が発生した。

翌日、関東にあるデイリーファストの日本最大の巨大物量倉庫、西武武蔵野ロジスティックセンターに舟渡エレナがセンター長として着任した。着任早々、爆発騒動で部下の梨本孔と共に警察の対応に追われた。荷物はこのセンターから配送されたのだ。警察の事情徴収を受ける間にも配送された荷物が次々と爆発を起こす。警察は配送される荷物の確認を始める。出荷は遅れるばかり。そしてそのしわ寄せはデイリーファストの配送業務を受けている羊急便に、そしてさらにその下請けの運送業者にも...。羊急便の配送責任者、八木はエレナからの無理な依頼と消費者からのクレームにパニック状態である。業務の6割をデイリーファストから担っている羊急便はエレナからの圧力に屈するしかないのである。また、エレナ自身もブラックフライデーの週末を迎えるアメリカとそして日本の支社長である五十嵐から「決して出荷を止めるな」と言う命令に従わざるを得なかったのである。混乱する業務をこなすと伴にエレナと梨本は時差のあるアメリカ本社が週明けの月曜日の業務を始めるまでに犯人を見つけ出して混乱を解決しなければならない。エレナたちが警察の捜査と別に独自の調査を行ううち、一人の元社員が浮かび上がる。彼は 三年前に転落事故のため重傷を負いデイリーファスト社を退社。そしてその後、行方不明になっていた。だが警視庁の捜査班により植物状態になったまま病院に管理されていたことがわかる。彼の転落事故を探るうち不審な点があった。本当に事故なのか。そしてその病院に出入り女性の姿が監視カメラに写っていた...。転落事故の陰にあるデイリーファスト社の隠蔽工作。犯人の目的は?謎の女が犯人なのか?そんな時、エレナの身元が会社の記録にないことを梨本が知る。

 

満島ひかりと安部サダオヲがうまい!最高やった。物語の中心になっている〝デイリーファスト〟て完全にAmazonがモデルですよね。豊かな生活、便利な暮らし、すべてネットで揃う必需品。消費者の満足度を得るための低価格。それを維持するための低賃金。こんなバカな世界に誰がした?豊かになるなら、便利になるなら賃金を上げるべき。果ては下請け業者までにそのツケは回ってきます。潤うのは大企業ばかり。しかも本社は外国企業。日本的経営はやらせてもらえない。利益が生まれなきゃその部署はストップ。安い賃金に劣悪な労働環境。当然、成り手は来ない。完全に人手不足。「派遣社員」で間に合わない。それじゃあと外国人を雇い入れるじゃこの国は良くならないは当然です。

作り手さんたちは2024年問題に合わせてこの題材を考え出したんやな。過剰勤務に末端の社員までの低賃金。抱える問題は山積みです。ちょうど今は自民党総裁選の真っ只中。新総裁=新議長はどう考えてらっしゃるんですかね。

このままでいいのかね?