陰陽師0 | kazuのブログ

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0(ゼロ)、-1.0(マイナスワン)、近頃こういう作り方が流行っているのか?事の始まり、事の起こり、プロローグを描く作品。「陰陽師0」はまさに陰陽師安倍晴明の若き日を描い作品です。どのような境遇から身を起こし、誰もが一目置く、陰陽師のスーパースターになったのか、まさに0(ゼロ)からの物語です。主演は山崎賢人くん、なんか話題作、注目作と言えばこの子ばっかしやね。確か「キングダム」シリーズも先日なかなか面白かったかな、と思った「ゴールデンカムイ」も彼ですよね。プロデューサーに好かれるのか映画会社に人気があるのか、私自身は主演、座長を務めるにはいささか未成熟かなと...それともう一つよさがわからないのだがね。物語は陰陽寮の学生(がくしょうと読みます。まあ陰陽師になるための学校です。)だったころに起った事件の解明と盟友・源博雅との出会いを描きます。ん?源博雅とは安倍晴明が初めてスクリーンで描かれた第一作、野村萬斎が安倍晴明を、伊藤英明が源博雅を演じた「陰陽師」で初めて出会ったのではなかったのかな。こんなところコアなファンは突っつくよ。作り手さんたち、特に脚本家の方はちゃんと1作目から観てんのかな。

948年、人々が呪いや祟りを信じていた平安時代。人々が唯一頼ったのは陰陽師。その陰陽師の学校であり省庁が「陰陽寮」と呼ばれ政務の中心であった。正式な陰陽師になるため陰陽寮に通う数多くの学生たちの中に「狐の子」と呼ばれ異彩を放つ若者がいた。名を安倍晴明。早くに両親を亡くしたが陰陽博士・賀茂忠行にその才能を高く買われた晴明は忠行の推薦により陰陽寮に通っていたのだが他の学生たちよりあまりにも秀でた能力を持つため受講に参加せず陰陽寮の書籍を読みふける毎日だった。そのため他の学生からは浮いた存在である。

ある日、寺で晴明は帝の身内に当たる中務大輔・源博雅に出会う。後日、博雅は晴明を訪ねて陰陽寮へやって来た。傲慢な態度をとる晴明に憤慨する博雅であったがなぜか心底憎めず彼に親しみを感じた。博雅は晴明にある頼みごとがあった。密かに思いを寄せる従妹に当たる元伊勢斎宮の黴子(よしこ)女王が毎夜、勝手に音を奏でる和琴に悩まされていると言う。晴明はなぜかそのことに興味を示し博雅と共に黴子を訪ねた。晴明は床下に隠れていた金の龍を誘きだし封じ込めてしまう。そんな事件が起こった数日後、学生の中の優等生「得業生」である橘泰家の変死体が井戸の中で発見された。陰陽頭の藤原義輔は学生たちに事件を解決した者は次の得業生だとふれを出し陰陽寮は大騒ぎとなった。そして学生たちの疑惑の目は異端児、晴明に向けられる。そんな中、博雅が陰陽寮に駆け付ける。再び金の龍が現れ黴子を連れ去ったと言うのだ。晴明と博雅は2つの怪事件の解明に挑む。

 

ふーん、若き日だからスケールの小さくなるのは仕方ないか...。でも悪いけど役者の質が違いすぎるかな。晴明=野村萬斎、博雅=伊藤英明、それに加えて宿敵・芦屋道満(作品では道尊)=真田広之と豪華で内容も相良親王の怨霊が相手とオカルト色がより濃くてスケールが大きく内容も数段濃いと思いますがいかがなもんでしょう?一抹の物足りなさを感じたのは私だけか?それから注目作、話題作の主演を山崎賢人ばかり演じるのはなぜ?そんなに主演を張れる若手って日本にはおらんの?未来の大将軍も不死身の杉元も天才陰陽師も皆同じ顔?近年のアカデミー賞でも評価が高い日本作品に世界で活躍する日本の役者さんと世界に認められてうれしいのになんか国内作品の大作、話題作の主演がどれも一緒と言うのは寂しさを感じますね。失礼ついでに言うと最近、ネット配信で昔の大河ドラマを観ました。「真田太平記」を観てやっぱりテレビドラマの役者さんも昔と随分ちゃうなあと思いました。もう40年近く前の作品ですが渡瀬恒彦、草刈正雄、丹波哲郎、夏八木勲...。重厚です、骨太です。草刈正雄さん以外はみんなもう亡くなられています。夏八木勲さんなんか今までの作品観てください。主演だろうが脇役だろうが、オレ大好きでした。あのアクの強さ、ぐいぐい来る演技力。今いないですよこんな人。

今の若い役者さんたちにここまで期待するの無理でしようが主演の方、皆、線が細いです。堺雅人さん、芝居はうまい人やけど作品の看板になる人かなあ。大河の主演も映画の主演もジャニーズ、ジャニーズもうあらへんけど...。こんな系統ばかりが看板俳優になってええんかな?日本の映画界は。皆線が細い! 

本作「陰陽師0」に戻りますが脇を固める、小林薫、北村一輝、國村隼が濃いくて、クセの強~い役者さんだけに物語の中心になる3人の若手が何とも薄い!ひ弱く感じるのは自分だけでしょうか?脚本もなんですがキャスティングが非常に痛い作品だと思いました。

 

安倍晴明と言う人はご存じの通り実在した人物です。いわば平安時代のスーパーマン。映画やテレビで語られるようになったのは「帝都大戦」以降かな。この作品は大正時代の話やから当然、晴明は出てこないけど晴明の血筋を引く陰陽師の名家、土御門家の総帥と言うのが出てきます。やっていたのが平幹二郎さん。けどこの作品の主役は何といっても魔人・加藤保憲を演じた島田久作。一度見たら忘れられない顔、主演はこの作品しかできないでしょうと言うこの強烈なインパクト。自分が安倍晴明や陰陽師と言うのを知ったのはこの作品かな。この作品だってすごいですよ!渋沢栄一=勝新太郎やもんね。

兎にも角にも紆余曲折を経てこれからも映画は続いていきます。次回はどんな形で平安のスーパーマン安倍晴明はスクリーンに登場してくれるのか...。