エクソシスト/信じる者 | kazuのブログ

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1973年に公開されたまさにオカルト映画の金字塔「エクソシスト」は今までの恐怖映画のイメージを一新しました。ドラキュラ、フンンケンシュタイン、狼男、あるいはゾンビ。目で見る恐怖からそれにプラス心理的圧迫。それは夏ごろ公開されました「ヴァチカンのエクソシスト」でも言いましたが、まああらゆる面で「その姿を現さない」悪魔の存在と言うものを何というかなあ、真面目にそして真摯に向き合った作品だと思います。亡きウィリアムフリードキン監督が作ったこの作品の続編が数多く作られましたが続編映画の悲しさかな、これを凌ぐ作品は現れてません。そんな中でもこの作品の続編ではなく、全く別の作品であるにしろ先述の「ヴァチカンのエクソシスト」はよくできていたと思います。

そんな中「エクソシスト」の正統の続編として公開された本作〝THE EXORCIST BELIVER〟「エクソシスト/信じる者」はどうでしょうか?オリジナルは実際にあった事件、悪魔祓いをヒントにして作られた作品ですが本作はどうやら違うらしい。全くのオリジナルのよう。しかし年に二回もこういった類の作品は観ないんやけどね。まあ混沌とした現在の世の中、ここ10年ほど。凶悪なテロリスト集団、不正選挙疑惑、大国の侵攻、侵略、あまりに無慈悲な戦禍。人々の不安は悪魔となって心に宿ります。

ヴィクターはハネムーンの旅行先であるハイチでの大地震の際、身重の新妻を失ってしまう。妻が最後に残した言葉。「この子を守って」の約束通り彼は13歳になるまで男手一つで娘アンジェラを育て上げた。

大事に育て上げたヴィクターであったが、ある日、アンジェラが友達のキャサリンと放課後に遊びに行くことを夕食までに帰ることを条件に許可する。だが少女二人はその日の放課後、森の中へ入っていったきり行方を絶ってしまった。ヴィクターはキャサリンの両親と共に二人を探した。友人や警察をも巻き込んで町中、森の中まで懸命な大捜索が行われたが森の中の洞穴でみつけたアンジェラの靴だけが見つかった他は何も手がかりが見つからなかった。絶望的に思えたが3日後、二人は50キロ離れた牧場の納屋で見つかる。だが二人の記憶は全くなく、時間の感覚も麻痺していた。だがその日を境に明らかに二人の様子は変わっていた。今まで聞いたこともないような汚い言葉、自傷行為、失禁。時には暴力的に親にさえ襲いかかる。手が付けられないほど暴れまわることもあった。ヴィクターの隣に住む看護師のアンとは普段から折り合いが悪かったが彼女はかつて修道女を目指したこともあり教会に相談することを勧め、一冊の本を彼に渡す。妻の死以降、無神論者を貫いていたヴィクターはアンから貰った本を開いた。著者はクリスマクニール。かつて悪魔が憑依したと言われる娘をエクソシスト(悪魔祓い)の神父たちの力により救い出して貰った経験を持つ母親だった。ヴィクターはマクニール夫人の門を叩く...。マクニール夫人は精神病棟にいるアンジェラと自宅に軟禁しているキャサリンに会いに行くがキャサリンの身に巣食う「何者か」に襲いかかられ重傷を負う。一方、アンは教区のマドックス神父に助けを求めた。マドックス神父は2人の少女の惨状を見て教会の上層部に「悪魔祓い」の許可を求めるが許可はされなかった。ヴィクターたちは四面楚歌の中、アンを中心に悪魔の力から二人の少女を救うことを決意する。

 

物語の最初に「妻の命を救うか、胎児の命を救うか」と言う選択を迫られます。それが伏線となってラストの悪魔の「二人のうちのどちらかを選べ」と言うあまりにも惨いラストとなります。なんでこの作品の悪魔の標的が二人だったのかがわかります。ラストは惨いですよねぇ。それと「ヴァチカンのエクソシスト」でも描かれていたことですがヴァチカンの一部の上層部が機能しないことも描かれています。自分は「悪魔の存在」と言うものがどうこうとはわかりません。しかしね、救いの手を差し伸べるのが教会の務めと思いますが。「悪魔祓い」そのものを信用してない上層部がいると言うのも確かなようです。しかし「悪魔祓い」の存在が世に示されて空前の大ブームとなったのが1973年。自分が11歳の時です。あれから50年。世の中も変わりました。50年前に作品の主演女優だったエレンバースティンが出演します。えーっ90歳ですかぁ、それに最後にちょこっとですが悪魔に憑依される少女リーガン役のリンダブレアが出演します(出てくるとは思ったけれど)。懐かしいですねー、何してるんかな―今。でもこういう映画が年に複数出て来るって言うのはやっぱり世界中が不安定やからやろうねー。