ザ・クリエーター/創造者 | kazuのブログ

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何なのかね?この違和感。アジア諸国を一括りにして「ニューアジア」などと呼ぶ、この違和感。さすが白人至上主義者アメリカの作った映画。AIが世界を征服する、人類を支配する、核戦争を起こす。ここまでのキーワードなら思い浮かべる映画は一つ。「ターミネーター」ですよね。ところがこの作品「ザ・クリエーター/創造者」はことに制作・脚本・監督を務めたギャレッドエドワーズはこのことを「チープだ、ナンセスだ」と言います。そこでAIが台頭してきた世界を欧米諸国VSアジアAI連合の構図を創り出しました。時は近未来、何が正義で何が悪なのか。AIを悪とする欧米諸国とAIを友人、家族として慕うアジア人たち。そこで黒人捜査官の心が揺れる。「最終兵器」と呼ばれる一人の幼い人間の姿をしたAIの少女(男の子と思っていたけど)。私が一番困惑したところはチベット寺院を破壊しAIのチベット僧を虐殺するのはアメリカ人です。これなんかの忖度?それともどっかの国への当てつけ?

近未来AIは進化を続け人類に溶け込み家族、友人のように思えた。だが...。

2055年反乱を起こしたAIがアメリカ・ロサンゼルスに核攻撃。100万人の被害者を出す。アメリカを中心とした西洋各国はAIの存在を危険視し利用を禁止、殲滅をする政策をとることになった。しかし「ニューアジア」と呼ばれるアジア圏の人々は人間の姿に造られた「シュミラント」と呼ばれるAI達と共に共存共栄路線ををとる。かくして欧米諸国対ニューアジア・AI連合の図式が出来上がりその激しい戦闘は10年間も続くことになる。

2065年アメリカの潜入捜査官ジョシュアはニューアジアのリゾート地で子供を身ごもったマヤとともに暮らしていた。彼はニューアジアのシュミラント捜査官ハルンに協力するふりをして潜入捜査を続けていたがある日、彼の意に反してアメリカ軍が急襲。「ノマド」と呼ばれる都市型兵器で一帯を殲滅。マヤが死亡したと確信したジョシュアは失意のままアメリカへ帰国した。

5年後、世界情勢は欧米諸国優勢に進んでいたがニューアジアは戦況を一気に逆転できる破壊兵器「アルファー・オー」を開発。情報を摑んだアメリカ軍は強硬派ハウエル大佐の指揮の元、現地の状況を知るジョシュアを隊に加えようとした。渋るジョシュアにマヤが生きている情報を与え連れ帰ることを条件に同行させた。任務は「アルファー・オー」の破壊とそれを作ったと言われる創造者ニル・マータの暗殺。現地に潜入したアメリカ軍はアルファー・オーの位置を確認したが潜入した部隊で「アルファー・オー」にたどり着けたのはジョシュアだけだった。だがジョシュアが目にした「アルファー・オー」は幼い少女の姿をしたシュミラントだった。ジョシュアはハウエル大佐の「破壊せよ」と言う命令を無視して「少女」を連れ出す。戸惑うジョシュアとAIの少女の逃亡の果ては...。

 

この作品の作り手たちはアメリカ悪VSアジアAI連合善の構造で描いています。この物語はAIと言う人類の進歩の成れの果てを描きながら現代に巣食う差別問題を描いています。差別される側、アジア人と共に将来こうなればAIも同様になりますよと描いていると思うんですがいかがでしょうか?そしてその間で揺れ動いているのがもう一方の差別される側の黒人なんですね。この元潜入捜査官を黒人俳優ジョンデヴィットワシントン(名優デンゼルワシントンの息子さん)がキャスティングされたのがよくわかります。しかしねぇアジア諸国を一括りにしてニューアジアですか...。なんかねぇ、差別だなんだかんだ言うてるのがねぇ、違和感感じます。それに加えてこの作品にチベット僧らしきAIが出てくるんですわ。これを平気で殺戮?破壊?するのがアメリカ人。中国人やなくてね。これもまた違和感。この作品やっぱり中国資本入ってんのん?と思ってしまいました。自分の思考が偏ってんのかな?とも思ってしまいますが...。中国に対する当てつけならそれは良し、しかし忖度してんのならなあ。けどね「ターミネーター」では人類に反旗を翻し世界を征服しようとするAIに戦いを挑む人々を描いています。映画は時代を反映します。この作品の意図、半分当たっていますよね。AIに仕事半分奪われてません?

今の世界。でも本作の様に一方では進化したAIと共存する姿が描かれていますよね。こういう考え方もあるんやと思いましたね。

しかし本作、先日日本一になったタイガースの熱狂的ファン渡辺謙が出演しています。日本シリーズ7戦全て観戦し、ローカル放送に出まくっていた、ただの阪神ファンのおっさんが一方ではハリウッドスター、ケン・ワタナベとして大スクリーンに登場する。この違和感もまた凄い!しかしこういう違和感はなんかうれしいねー。