題名を見れば、コアな映画ファンならピンと来るはず。そう、フランス映画、ジェラールドバルデュー主演の「あるいは裏切りと言う名の犬」の二番煎じ、いや二匹目のどじょう?けど、作品はなかなか面白かったですよ。だからね、なんでこんな映画が日本で作れない?何度も言うようやけど先週の「怪物」よくできてました。けど、どっちの方が面白かったかなあと言うと、自分は今日の韓国映画「告白、あるいは完璧な弁護」。作法はよく似てます。時系列にとらわれない、回想形式のドラマ。舞台は郊外の雪山の山荘、殺人容疑をかけられたIT企業の社長と敏腕女性弁護士。
「裁判に勝ちたいなら、すべて真実を話して」
この弁護士の言葉がこのミステリー作品の全貌を現しています。そして、なつかし「シュリ」のキムユンジンの登場。映画ファンなら知っている、韓流ブームの火付け役は「冬のソナタ」ではありません。「シュリ」です。絶対「シュリ」。北朝鮮の殺し屋イバンヒを演じたのは早24年前。時の流れは速いです。可憐であり冷徹、うーんまた観たくなってきた。この作品では何とも難解な役どころ。まあ、「怪物」同様明るい映画じゃないんやけどね。とにかく最後の最後まで息詰まる展開がおもしろい !!
飛ぶ鳥を落とす勢いのIT企業社長ユミンホの不倫相手だったキムセヒが殺された。ともにホテルで倒れていたユミンホが第一容疑者として嫌疑がかけられる。大金を払い保釈された彼は100%無罪を勝ち取る敏腕女性弁護士ヤンシネを雇う。二人はマスコミの目を逃れ雪山の山荘で会う。ヤンシネの契約条件はただ一つ...。
「真実をすべて私に話して」
実はこの事件の裏にはもう一つの事件があった。キムセヒが殺される数カ月前、実は二人は今いる雪山の山荘で逢瀬を重ねていた。その車での帰り道、ハンドルを切り損ねたユミンホは林に車を突っ込ませてしまう。対向車線を走る車は木に衝突。衝突した車の車内では若い男性が死んでいた。警察を呼ぼうとするが呼べば二人の関係は公になる。ユミンホは相手の車のトランクに遺体を詰め車を処分に行く。一方、キムセヒは通りすがりの車の修理工を営む男性ハンヨンソクに助けられ、彼の自宅で車を修繕してもらうのだが修理の間、彼の部屋を訪れ驚愕する。部屋に飾られた写真に写っていたのは車内で亡くなった若い男性だった...。
まあこう言う作品はなかなかあらすじは書けません。今書いただけでも物語の半分も行ってません。これだけでも書きすぎたかなと思うくらい。二つの事件が入り組んで、偶然が一致し、物語の裏にはまた裏があって...。まだご覧になってない方のためにこれ以上は言えません。けど何と言ってもキャストが魅力的、IT企業の社長を演じたソジソブ...男優はあんまり知りませんねん。どうでもええ。(なんちゅう勝手や)、人気の俳優さんらしいけど。修理工のお父ちゃんを演じたハンヨンソク、チェミンシク(この人も国際的俳優、「シュリ」の北朝鮮工作員を演じた役者さんです)の弟さんらしいと言うくらい。じぇんじぇん知らん。あかんな男は万国共通で。美人にしか目が行かん。弁護士ヤンシネを演じたキムユンジンは前説の通り。そして不倫相手を演じたナナちゃん。なんで彼女だけチャン付けかわからんけど、綺麗ですよねー。ロングヘアからショートカット、美人は何をやっても美人です。何とかって言うアイドルグループの一人らしいけど、そりゃあ不倫もするで―ってなキャラクターです。
派手なアクションはないけれど不倫、密室、極寒の雪山。イヤ―っ見事なサスペンスミステリーですっ!