とかく会議、ミ-ティングと言うものはつらい。自分は大の苦手。わが社では会議、ミーティングの類は一切ありません。無駄は一切行いません!何言うとんねん、議長は寝てまうし、社員も一人しかおらへんやろ。その通り。しかもそれを映画で延々見せられると言うのは日頃、寝不足の人間にとっては非常にきつい!ところが自分のようなバカはほっといて頂きたい。この作品は今日、この時、この只今、非常に重要な作品です。「ヒトラーのための虐殺会議」。この題名の示すように母国のための会議ではありません。ヒトラーのため、ナチスのためだけの会議、しかも虐殺会議。虐殺の対象は勿論、ユダヤ人。欧州に在住する対象者およそ1,100万人。俗にいう「ユダヤ人問題に関する最終的解決方法」です。ご存じの方も多いと思いますが「最終的解決方法」とは学問的で知的な表現ですが内容は野蛮そのもの、「抹殺」でありその方法とは大量虐殺=ホロコースト、ジェノサイト=民族浄化、破壊、抹消です。議題は移送方法、その労働力を有効的に生かし過労死するまでの強制労働、そして殺害方法から遺体の処理まで。このような鬼畜のごとき会合が今から81年前のちょうど今頃の時期にベルリン郊外のヴァンセー湖畔の別荘で行われました。カメラは会議の開始から終了までを延々と追い続けます。なぜこの作品が今なのか、なぜ今を生きる我々がこの81年前の現場を目撃するべきなのか...。
1941年1月20日。ドイツ・ベルリン郊外のヴァンゼー湖畔。後年、その悪名を轟かすことになる世にいう「ヴァンゼー会議」が行われたのは静かな湖の畔でひと際目を引くナチス高官ハインリッヒミュラー親衛隊中将の別邸だった。主催者はラインハルトハイドリッヒ親衛隊大将。金髪の野獣と呼ばれた「ナチス第3の男」、押しも押されぬヒトラー側近中の側近である。世話人はアドルフアイヒマン親衛隊中佐。親衛隊主導で進められたこの会議はナチス親衛隊高官8名と官僚次官7名それに記録係の秘書ヴェーレマン嬢を含む計16名で行われた。議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」。移送方法、強制労働、最終的処理(殺害)。別邸には続々とナチの高官とドイツの官僚次官たちがやってくる。誰が責任者となるのか、誰の負担となるのか彼らはお互い腹を探りあう。そして最後に主催者のハイドリッヒ親衛隊大将が登場し、会議が始まる。ポーランド総督府管轄となるアウシュビッツへのユダヤ人の移送から始まり、強制就労、最終的解決へ、この会議の世話人でありアウシュビッツ強制収容所建設の責任者であるアイヒマン中佐の意見が取り入れられ「ユダヤ人問題1,100万人に対する最終的解決」の議題はランチを挟み最終問題である処理方法まで進む。だがこの間この一つの民族が抹殺されようとしていることについて出席者は誰一人として異議を唱える者はいなかった...。
81年前の出来事です。遠い昔のようであり、さりとて100年足らずの近代史です。地域紛争、冷戦を経て何とか人類は形だけではあるものの第三次世界大戦だけは免れてきました。しかし今、ここに現代においてその均衡を破ろうとする者が現れてきました。習近平、ウラジミールプーチン...。方やもとは我々の領土と訳の分からない歴史観を持ち出し本格的にウクライナに侵攻してきたロシア、プーチン大統領。もう一方は近年の目覚ましい経済成長とともに他国の土地を買いあさり世界の覇権を握ろうとする中国、習近平国家主席。どちらも我が国、日本の対岸に位置する大国です。ロシアはウクライナと言う国を世界地図から抹消し、中国はウイグル人を、チベット人を、モンゴル人を漢民族化しようとしています。歯向かうものは抹殺。まさにジェノサイド(民族浄化)。ヴァンゼー湖畔で行われた会議がまさにバイカル湖の畔で、万里の長城のすぐ近くで「民族抹消」の会議が行われてないとは言い切れません。
この作品を作った監督マッティゲショネックがいいます。「私が一番恐怖を感じたのは法律を学んでいたはずのナチスの高官たちがまるで生産会議を行うかの如く淡々とこの手続きを進めていたことです」と。ある民族がある民族を人類から消し去る。こう言うことが許されるはずがありません。この後、ハイドリッヒはレジスタンスたちにより暗殺。ミュラーは逃亡行方不明。アイヒマンはご存じの方も多いと思いますが、ドイツ敗戦後、南米へ逃亡。1960年イスラエルの諜報機関モサドによってアルゼンチンで誘拐、イスラエルの法廷で死刑を宣告されイスラエル・ラムラと言うところの刑務所で絞首刑に処せられました。この会議後、結果的に600万人のユダヤ人が虐殺されました。彼はこの責任を取らされたわけですね。ドイツの敗戦後、自らの命を絶ったナチス高官もいれば、アイヒマンのように南米へ逃亡したナチス高官も数多くいるわけです。こんな国と同盟を結んだ日本はやはり不名誉を背負わされた訳ですが彼らとは戦争を始めた主旨が違います。なのにドイツはナチスが悪いわけであってドイツ人が悪いわけじゃない、でも日本は日本人が悪いと憲法も軍隊も自尊心も何もかも取り上げられてズタズタにされてしまいました。これってレイシズム!やっぱりアジア人に対する偏見なんやなぁ。見方を変えると欧米人はアジアに優秀な民族がいることが許されへんかったんやね。
しかし歴史家の中にはナチスドイツのやったことについては多分にユダヤ人のプロパガンダも含まれていると言う人もいます。アンネの日記のアンネフランクなんて人物はいなかったって言う人や、「アウシュビッツ?あの収容所に600万人も入らないよ 」なんて人もいます。ユダヤ人はロビイ活動やプロパガンダがうまい。非常に頭がいい、悪く言うとずる賢い民族だと言う話です。けどこれまた逆に言うと彼らは紀元前のモーゼの時代から世界を放浪し続け、その間あっちへこっちへとちりぢりばらばらになっていろんな地で迫害を受け続け1000年もの間安住の地を求め続けた民族。それ位の狡猾さがないと生き残れません。ああ、こうなると何が正しいのやら、何が間違っているのやら...。
それはともかくそんなにお金がかかってそうもないこの小作品ですが今を生きる我々にとっては非常に重要な作品であり、いろんな問題に警鐘を鳴らしてくれていると感じます。この図体だけがでかく、かつ傲慢な二国が我が国と接しているのが我が国の不幸。日本列島にモーターが付いているならハワイの隣位に行きたいもんです。