ハウス・オブ・グッチ | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

面白い作品でした―。イタリアの有名ブランド〝GUCCI″のファミリーが起こした実際の事件を映画化。監督が「エイリアン」のリドリースコット。まさに超一流企業の資産家ファミリーが巻き起こす愛憎劇。正直、一般庶民から見れば出て来る一族の連中はまさにエイリアン級の変人ばかり。その中に飛び込んできた中流階級の娘。最初は「好きな人がたまたま超一流セレブだった」わけだが、そのエイリアンたちに毒されたか、感化されたか途中から猛烈な勢いで野心をむき出しでしてくる。その「玉の輿」に乗った中流階級の娘をレディガガがやっとるんだわ。スクリーン狭しと重量感たっぷりに頭角を現す彼女に圧倒されます。今のところ、この「ハウス・オブ・グッチ」が本年度No1かな?あれっ、まだ1月終わっとらんのか...。

1978年。父の小さな運送会社で経理をやっているパトリツィアレッジャーニはマウリツィオと言う青年に出会う。彼はイタリア・フィレンツェに本拠地を構える世界の高級ブランド〝GUCCI″の御曹司だった。創業者の孫である彼は一族のブランド経営には興味を示さず弁護士をめざす青年だった。二人はマウリツィオの父ロドルフォの反対を押し切り結婚をする。

一族から離れて暮らす二人であったがグッチの実質上のトップであるロドルフォの兄アルドは出来の悪い自分の息子パオロより頭のいいマウリツィオの方を気に入っていた。二人を自らのパーティーに呼び寄せたアルドはマウリツィオの妻パトリツィアを一目観て気に入り二人をニューヨークの支店へ招待し、強引にマウリツィオを経営陣の中に入れてしまう。だが、ロドルフォの死をきっかけにパトリツィアはグッチの経営に口を出すようになっていった。そして最初はグッチの経営にあまり乗り気でなかったマウリツィオを焚き付けあまり良好な関係でなかったアルドとパオロの親子を仲たがいさせアルドを脱税で収監させ、パオロを経営陣から追い出してしまう。マウリツィオをついに名門〝GUCCI″のトップに立たせることに成功するのであった。

今や、パトリツィアは高級ブランド〝GUCCI″の「ファーストレディ」であり一族の中でも傲慢に振舞った。だが幸福の絶頂は長く続かなかった。何事にも口を挟んでくるパトリツィアに嫌気がさしたマウリツィオは別の女性に心を傾かせ自分の妻と娘に振り向かなくなってしまったのである。嫉妬と自らの立場の危うさを感じたパトリツィアはとんでもない計画を目論む...。


やっぱり特筆すべきはレディガガ。歌のことはよく知らないけど映画に出てもこの人迫力ありますよねぇ。「イタリア一流セレブの大お家騒動」の中心にいたのがこのパトリツィアであるわけですがあの何とも言えない重量感で押して押して押しまくられます。観ている方も思わずのけぞってしまいます。そしてグッチの三代目を演じるのがアダムドライバー。「スターウォーズ」シリーズの最終章の言わば「一方の主役」なわけですがなんともこのシリーズでは中途半端でパッとしなかった彼でしたがそのパッとしないところがこの役にはまったと言うかなんと言おうか...。またアルパチーノやジェレミーアイアンズと言ったところがグッチ一族の長老達に扮して、まさにセレブの映画。賑やか華やかな作品でした。そしてこのセレブファミリーの愛憎劇をリドリースコットが手際よく捌いたというかまとめたというかさすがの手腕だと思います。まあ、アルパチーノが丸々太ってマイケルコルレオーネはどこへやら、ホント、喜々として演じていたようで観ていて楽しかったですね。そうそうこの頃って丁度、日本じゃバブルの最盛期。世のおばさんたちがヨーロッパへ出かけてブランドを買い漁っていたころです。そんな事態背景も描かれていて、ブランド側も日本の成金にターゲットを絞ってアルパチーノが「ヨウコソ、イラッシャイマセ」「コンニチワ」と日本のおばちゃんたちに愛想を振りまくところはなんか懐かしいやら、こっばずかしいやら、大いに笑っちゃいました。
なんかドロドロした作品なのにアルパチーノが加わって実に爽快でした。ぜひお薦め!それと同時に映画に出て来る日本のおばちゃん団体を観て、早くコロナが明けて海外旅行へ!ってならないかな、こんなシーンに実際に早くお目にかかりたいな、とも思う2時間20分のひと時です。