ストックホルムケース | kazuのブログ

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連続の投稿はしんどいわー。ところで「ストックホルム症候群(シンドローム)」なる言葉を御存じか?このこの作品「ストックホルムケース」はその語源となる事件を描いた作品です。

 

  ストックホルム症候群(シンドローム)=誘拐や監禁などにより拘束下にある被害者が、加害者と時間や場所を共有する

  ことによって、加害者に好意や共感、さらには信頼や結束の感情まで抱くようになる現象。(日本大百科全書より)

 

以前、ピアースブロスナンがジェームズボンドを演じていたころの「007/ワールドイズノットイナッフ」でも物語のキーワードになっていました。人質籠城事件により長時間その犯人と被害者が同じ場所で共に過ごすことにより被害者が犯人に同情、もしくはその思想に共鳴し、恋愛感情その他のなんらかの犯人に対する思いが芽生えることですね。まぁ、精神的に未熟な若者に対して多く見られる傾向だそうです。

本作では当事者の名前等は変えているようですが同じストックホルムを舞台に作品は作られています。このストックホルム症候群、例を挙げると日本では1970年の「よど号ハイジャック事件」。日本赤軍派が起こした事件でこのテロリストたちが北朝鮮へ脱出した事件ですね。犯人たちが飛行機を降りる際、乗客たちから「頑張ってください!」だとか歌を歌って見送ったとか、それだけじゃなく後にこの犯人たちに誘拐された女性が犯行グループたちと共に銀行強盗をやったとか考えられないことが起こりました。そしてあの凄惨極まりない、「三菱銀行人質事件」。犯人、梅川昭美に対して人質の一部が警察の動きを逐一報告したり、警察に対して「入って来るな!」と怒鳴ったりだとか...ほんと人間の心理って不思議です。

スウェーデン、ストックホルム。何をやってもツキに見放されていた男、ラースは借金取りから追われる毎日。彼はアメリカのヒッピーに扮装し、銀行を襲う。平凡な主婦の銀行員、ビアンカら三人を人質にとり銀行内に立てこもった。ラースは刑務所に収監中の悪党仲間、グンナーを人質交換の要件の一つとして出獄させ、銀行に入れる。ラース、グンナーと警察の持久戦が始まる。だが警察による封じ込み作戦による五日間の籠城生活によってビアンカら人質たちと妙な連帯感が生まれる。いつしかビアンカたちはラースを守るように警察に相対するようになっていく...

イーサンホーク、マークストロングと言う当代きってのクセのつよーい演技派を据えたわりには何かしら少々退屈。しかしこの犯人の二人悪党なのだがワルになり切れないというかどこか一本頭のネジが抜けているという感じ。この二人よりどっちかと言うとノオミラパスが演じた平凡な主婦の銀行員ビアンカの心理の移り変わりが絶妙だった気がします。平凡で真面目―な女性なんですが、なんか最後は思いっきり大胆になってしまいます。そういえばどっかに書いてありました。ダメ男にはまりやすい女性がストックホルム症候群になりやすいんやって。