ミッドウェイ | kazuのブログ

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まだ中学生だった頃、アメリカ建国200年記念作品として日本で公開された作品が「ミッドウェイ」でした。太平洋戦争の大きな転換点となった戦い。それがミッドウェイ海戦でした。1976年当時のこの顔ぶれがまた凄い‼

主演チャールトンヘストン、それに続いてヘンリーフォンダ。彼がニミッツ提督を演じます。それからジェームズコバーン、グレンフォード、ロバートワグナー、ロバートミッチャム、後にテレビスターとなった「マグナムPI」のトムセレックや「白バイ野郎ジョン&パンチ」のエリックエストラーダまで。それからあの「ベストキッド」のノリユキパットモリタ...これで驚いてはいけない、なんとあの山本五十六連合軍艦隊司令長官に三船敏郎!なんぼ金使うねん。と言う作品でしたが、興行的にどうだったか忘れましたが...よほど稼がないとこの散財は回収出来てないでしょう。

しかしアメリカと言う国が大転換期を迎えたという一戦と言うことで建国200周年にふさわしい題材です。この作品がリメイクされることになりました。監督は「インディペンデンスデイ」のローランドエメリッヒです。

出演陣も豪華です。前作のビッグネームには敵わなくともアメリカ軍太平洋艦隊司令長官チェスターWニミッツにウッディハレルソン、ハルゼー提督にデニスクエイド、キーマンとなる情報参謀レイトン少佐にパトリックウィルソン。日本側からは山本五十六に豊川悦司、名将山口多聞に浅野忠信、南雲中将に國村隼とうーん、いい役者を揃えた!でも何といっても「インディペンデンスディ」のローランドエメリッヒ。「地球はアメリカだけで守っとんのかい!」と突っ込みたくなるような映画を作る人。我が国のスーパーヒーロー、゛ゴジラ"を゛GODZILLA"なるなんとも無残なチラノサウルスモドキにのような姿にしてしまった「前科」のある人。「アメリカ、日本、公平に描いた」とは言ってるものの果たしてどうなのか...

1941年12月7日未明(日本時間12月8日)。中国大陸への進出に伴い、アメリカからの禁輸措置、海上封鎖を受けていた日本は遂に脅威となっていたハワイ真珠湾の海軍基地を攻撃するに至った。作戦遂行の指揮は連合艦隊司令長官山本五十六。現場の指揮は第一航空艦隊司令官南雲忠一がとった。日本軍の奇襲作戦は見事に成功、アリゾナを始めとする戦艦4隻撃沈、2隻大破...アメリカ海軍ハルゼー提督率いる空母エンタープライズが駆けつけた時は日本艦隊の姿はなく、航空隊のエースパイロット、ディックベストらが帰還した時、目の前に広がるのは炎の海に包まれた真珠湾の衝撃的な姿だった。戦友たちの無残な死に直面した彼らの怒りの矛先は日本軍に向けられた。しかし一方の日本軍も、意気揚々と引き上げ英雄として持て囃されている南雲に対して「第二派の攻撃でなぜ石油供給施設、修理施設等を破壊して決定的な致命傷を与えなかったのか?」と山本と彼の腹心である山口多聞少将は臍を噛んでいた。空母エンタープライズが外洋に出ていたことも日本にとっては不運、アメリカにとっては不幸中の幸いであった。米国留学の長かった山本はアメリカとの国力の差を痛感していた。山本は最初に軍事施設を徹底的に叩き、しばらくの間、戦闘能力を不能にして置き、その間に講和を結ぶと言う明らかな考えがあった。山本の不安は的中し、アメリカの立て直しは早かった。アメリカは太平洋艦隊の立て直しにチェスターWニミッツを総司令官に任命、ニミッツは情報将校レイトン少佐に山本の行動の分析と日本軍の暗号の解読を急がせた。その結果、次の攻撃目標がミッドウェイ環礁だと定める。真珠湾攻撃から約半年を経た1942年6月5日、情報力と英知、そして日米軍人たちのプライドと思いをかけた戦いが今、始まる。それは日本とアメリカ合衆国の大きな歴史の転換点となる一戦だった...。

まあ、一番感じられたのは゛Remeber Pearl Havor"。戦友を失くしたアメリカ空軍パイロットたちの日本に対する敵意、憎しみが強調されていること。そこに至るまでに日本に対するアメリカの禁輸措置なんかは冒頭に「チョロッ」と描かれているんやけど、まあ日本人としてはやけどね、やっぱし悪役にされた感じ。定番通り、山本五十六は名将、南雲忠一は愚将として描かれています。一部の専門学者たちの意見では山本五十六愚将説、南雲はそれほど愚将だったかは甚だ疑問と言う意見があるから、まあそこまで深く掘り下げて行くのは無理やろうけどやっぱし日本海軍、日本国の描き方は希薄だと言わざるを得ません。けどエメリッヒ監督が日本軍に対してある程度尊敬の念を抱いていることを感じるし、決して悪意を持ってるとは思いません。悪意を持っとったら豊川悦司や浅野忠信はエイリアンになっとったわな。あくまでもアメリカ側の映画やし、まあしゃあないか...。

生まれて初めての海外旅行がハワイでした。大学生の卒業旅行、観光でアリゾナ記念館へ行った時の衝撃を覚えています。

゛Remeber Pearl Havor"当時のルーズベルト大統領が放った言葉が新聞記事としてそのまま、記念館に飾られていました。それを見た時、周りのアメリカ人たちの反応もちょっと怖かったし、年寄りのおじいちゃんが食い入るようにその記事を見ている光景は「この人、戦争に行ったんやろなぁ。ひょっとして俺を恨んでる?」なんてことも考えました。日本、アメリカ、どちらの国民もあの戦争で傷付かなかった人なんていません。この人たちの流した血の上で我々は生きているんです。日米両軍の英霊たちに改めて合掌。

とまあ、思いは色々あるけれど、やっぱり「さすが」ローランドエメリッヒ監督。真珠湾攻撃やミッドウェイ海戦の臨場感マックスの戦闘シーン、スペクタクルシーンはお見事。こんなこと言うたらあかんのかも知れませんが、そこを観るだけでもこの作品、価値はあります。

歴史上に名を馳せた人物たちを想いを込めて演じた日米の役者さんたちにも拍手。