必ず一本、韓国映画を上映している神戸国際松竹会館。でもいいものはいい!香港映画のリメイクだというこの「毒戦~BELIEVER」面白かったです。よかったです。なんせ先が見えない、出てくるワルはぶっ飛んだやつばかり、ワルがぶっ飛んでるなら正体不明のボスを追う潜入捜査官たちもぶっ飛んでいる、警察VS麻薬組織VS正体不明のボスという三つ巴のクライムストーリーなのです。
舞台は韓国、ソウル。物語は麻薬組織の頂点に立つ正体不明のボス「イ先生」なる人物を追う、麻薬潜入捜査班のリーダーが潜入捜査の手先に使っていた少女を殺されるところから始まります。行き詰った彼は自らの捜査班の部下たちとともに麻薬のディーラーやバイヤーになりすまし決死の潜入捜査を敢行することになります。そんな中、組織に使い捨てにされ九死に一生を得た一人のチンピラを潜入捜査に加え組織に潜り込むわけですが、しかしまあ出てくる麻薬組織の面々は頭の行かれたやつばかり。パンツ一丁にナイトガウンをひっかけただけで色情狂の情婦と麻薬でぶっ飛んでいる闇のマーケット王、まだあどけなさが残るのに麻薬精製にかけては天才的な腕を持つ若い姉弟、敬虔なクリスチャンでありながら思いっきりバイオレンスで残虐非道な性格を持ち組織の頂点を狙う裏社会のボンボン。そんな奴らの信頼を得るため麻薬王に扮した班長は麻薬を吸い込み発作で死にかけたりと、まあ狂気の世界が繰り広げられるわけであります。
当然、ドンパチも繰り広げられ、凄惨なシーンもでてくるので当然のごとくR15指定。けど面白いのはそれぞれの個性が引き立ってるうえ、なかなか展開が読めないところ。当然のごとくこの物語のテーマ、正体不明の黒幕はだれかというのが途中で分かる訳ですが決してハッピーエンドとは言えないラストシーン。とうとう捜査班のリーダーは最後に「イ先生」と対峙するわけで、そのあとカメラは屋外に出て銃声一発。えっ?どっちが撃ったの?当然捜査官の方やんな?と思いつつもそうとは言い切れない幕切れ...
このモヤモヤ感が何とも言えません。
日本での韓流ブームは去ったとはいえ、韓国ってのはたまにこんな劇薬のような作品を作りますね。何度も言うけどおもろかったです❕

