その①より

再び441号線に戻ります。すぐに高瀬沈下橋の案内板が出ていましたので寄ることにします。こういう案内を出してくれると観光客は助かります。

沈下橋の手前に車を停めました。誰もいないので橋を一人占めできそうです。

先ほど屋形船で下をくぐった高瀬沈下橋ですが今度は歩いて渡ってみます。けっこう幅は広いですね。車も十分通れる幅があります。資料によると幅は3.4メートル、長さは232メートルもあるそうです。

真っすぐな橋ですが途中に避難の為か道が部分的に広くなっているところがありましたが強い風が吹くと恐いですね。

川の水は底が見えるくらいの透明度があって流れも緩やかでした。風が気持ち良いですね。

そして中村に向かって走っていると四万十川の最も下流にある佐田沈下橋を発見しました。

四万十川の河口からいちばん近いのがこの佐田沈下橋です。こちらも車を停めて歩いて渡ってみることにします。

この橋は中州に渡りさらに向こう側の川を渡っていきます。この橋は291.6メートルも最長を誇ります。それぞれの沈下橋にはそれぞれの特長や微妙な違いがあって興味深かったです。

橋のすぐ横には屋形船が横付けされていました。屋形船も船によってコースも違い見れる橋も違って趣も異なることでしょう。

少し下に降りてみると橋梁がなぜか青い色に塗られているのが確認できました。

これで有名な沈下橋を今日4つ回ることができました。最後の橋に見送られながら四万十市・中村を目指していきます。

四万十市の中心街に近づいて走っていると山の上にお城の天守らしき建物を発見しました。城マニアの血が騒ぎ出しましたので訪問してみることにします。かつての中村城、現在は四万十郷土資料館になっていますね。

山の上にあるようですので車で案内板を頼りに登っていきます。中村城は一条氏によって家臣に取り上げられた地元の豪族・為松氏が築城した城で一条氏が五代に渡り居城したました。後で一条兼定が追放され長曾我部元親の弟の吉良親貞が入るなど元親の幡多地区攻略の拠点になっていました。現在は山上に城郭跡を残すのみとなり城跡の一隅にこの郷土資料館が建っている次第です。

立派な天守ですがこれはあくまで模擬天守の資料館の建物です。時間が遅かったために残念ながら営業時間が過ぎて入れませんでした。豊後大友家とも関係の深い一条氏の資料があれば見たかったですが今回は諦めます。

回りをよく見ると確かに土塁がそのまま積み上げられた状態で残っているのが確認できます。土塁や堀切の形状など城の要塞がそのまま残っているのは興味深かったです。高知市内からは離れているものの長曾我部元親の勢力がここまで来ていたのかと肌で感じることのできる城跡ですね。

ひっそりと中村城二の丸跡の碑が建っていました。かなりの部分城跡の形状が残されていると感じました。

そして四万十市のくろしお鉄道中村駅にやって来ました。

こじんまりとしてきれいな駅ですね。

非常に見やすくて分かりやすい明確な時刻表です。宿毛と高知・窪川までをつなぎます。

少し後で特急あしずり号に出会いましたが派手なラッピング電車となっていました。

四万十市中村というのは一条氏が京都を模して造ったということで町の中心街が碁盤目になっているのが確認できます。街中にも京町通りなど京都を想わせる地名がありました。

泊っているホテルからは四万十のシンボルと言える四万十川に架かる赤鉄橋が良く見えました。

最初は鉄道の橋かと思いましたが道路が通っていました。せっかくなので車で橋を渡ってみました。

渡り終えて反対側から見た景観です。端の全長は509m、鉄橋部分は437.9mもあります。

橋のたもとに古戦場跡の碑がありましたが、ここは一条兼定と四国統一を図る長曾我部元親との主導権争いの合戦が行われた跡になります。一条兼定は豊後の大友宗麟の娘を妻にするなど親戚関係を固めて深いつながりを持っていましたので豊後に逃げてから失地の挽回を図りましたが元親の勢いに圧倒され再び敗走することになります。

先の中村城を拠点とする長曾我部元親軍と四万十川を挟んで対峙する一条兼定軍の戦いとなりましたが、元親軍が勝利し四国統一が決定的になりました。歴史的に大きな戦いのあった戦場跡です。名門の一条家も滅びてしまいました。

ちょうどこの角度で橋の向こうが中村城、手前側に一条兼定の栗本城があって四万十川を挟んで対峙したことになります。

陽が長くなってすぐに戻るのはもったいなかったので安並の水車の里を訪れてみます。

時期的には少し早かったのでアジサイなどは見れませんでしたが水車の姿には期待できます。

水路に水車が並ぶ姿はなかなか見れないですね。

一つ一つはそれほど大きくは無いですが水の力で複数の水車が回る姿は青田によく映えることと思います。

夜は居酒屋でしっかりカツオの塩たたきを頂きました。肉厚でめちゃ美味かったです。

四万十市は高知県と言っても高知市からはかなり離れており高知市の人もなかなか行く機会が無いと聞きましたが私も沈下橋に興味持って初めて来る機会が出来て本当に良かったです。さすがに綺麗な海や川に囲まれて自然豊かで食べるものも美味しく癒される旅になりました。

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