前回の江戸城の歴史ウォーキングの続編に参加しました。東京はこの夏最高の気温に上がる猛暑の中でひたすら大汗をかきながらの楽しい歴史探索となりました。(2016/08)
今回のウォーキングは有楽町線の桜田門からスタートします。桜田門は井伊直弼の暗殺事件で有名ですがここから彦根藩の上屋敷はすぐ近くの内堀沿いに建っており、1860年3月3日の登城日にここから江戸城に向かう途中で水戸藩を中心とした13名に襲われたことになります。
桜田門の正面には内堀沿いに現在警視庁の庁舎が立っていますが当時は豊後杵築藩松平家屋敷が建っていました。この辺りは各大名の江戸屋敷が立ち並んでいたようです。
桜田門は2つの門からなり外側の門(高麗門)を通ると枡形の右に内側の門(渡櫓門)があります。桔梗門が内桜田門と呼ばれるのに対し桜田門は外桜田門と呼ばれます。
桜田門の渡櫓の石垣は切込接の美しい芸術的センスを感じさせます。大きな石垣をところどころに配置しその周りを複数の石垣でびっしりと隙間なく詰めています。
少し歩いた皇居外苑にはお馴染みの楠木正成騎馬像があります。私自身あまり楠木正成のことを知らないのでなぜここにあるのかはあまりピンと来ないのですが高村光雲作の傑作です。
また皇居周辺には歴史的建造物も見ることができます。馬場先門の交差点には昭和9年に建てられた明治生命館があります。古代ギリシャ様式に則った建築様式で列柱にはエンタシスが施されており上に行くほど細くなっています。
東京駅と皇居外苑をつなぐ門跡で現在は木橋がかけられています。和田倉は日比谷入江に望んで倉が並んでいたことで船で運ばれた船荷を荷揚して保管していた倉庫の名前が残っています。
和田倉橋を渡ると昭和36年天皇陛下のご成婚を記念して造られ和田倉噴水公園があります。
本丸と二の丸をつなぐ連絡通路で当時はすぐ近くに海を見下ろしたために汐見坂と呼ばれます。当時は入江がすぐそこに迫っていたのですが船から大砲を打ちこまれることを恐れて日比谷入江を埋め立てることになったということです。
江戸城は様々な石垣のバリエーションが楽しめます。汐見坂より北側、梅林坂との間の石垣では表面をノミで仕上げで線状の化粧は「すだれ仕上げ」をしています。
このあたりの石垣は加藤清正が作ったと言われています。その証拠として熊本城でも見られる武者返しのカーブがここに見ることができます。
この辺りが二の丸御殿跡と言われます。
二の丸庭園ですが9代将軍家重の頃の庭園見取り図をもとに再現されたものです。
二の丸庭園には見合ことがない珍しい鯉が泳いでいます。ヒレナガニシキゴイですがインドネシア産のヒレナガコイと日本のニシキゴイの交配種です。1977年に現天皇陛下の明仁親王の提言で埼玉県水産試験場で誕生したものです。
大奥の女中が平川門へ下りる坂道沿いには太田道灌植えの梅林が続きます。梅林坂です。
鬼門である北東にある平川門です。大奥の女中が出入りした通用門ですが他に罪人、遺体が運び出された不浄門になります。忠臣蔵で有名な浅野長矩も罪人としてこの門から外に出されたそうです。
平川門から出た罪人、遺体は平川橋は渡らずこの小さな門から出されて土手を通って竹橋門から出たようです。
平川橋は和田倉橋と並ぶ木製の橋で趣があります。
橋の擬宝珠には慶長19年の刻印が見えますので約400年前のものです。
平川門を出たところに江戸城の元を作った太田道灌の碑が建っています。太田道灌没後450年を記念して建てられてものです。
平川門を出た正面には現在毎日新聞社のビルが建ちますが、江戸城の時代にはここには米蔵があったということです。
竹橋に続く石垣は藤堂高虎が積んだものと伝わります。多くの大名が普請で城作りに参加している(させられている)江戸城ですね。
道路の対面に雉子橋門跡の石垣が残ります。雉子橋の名前は家康が朝鮮からの勅使をもてなすための雉小屋があったことから由来しているそうです。
清水濠に沿って歩いていると武道館が見えてきましたが北の丸は田安門、清水門と重要で繋がれてます。
北の丸の武道館近くにある清水門ですが現存建築で重要文化財の遺構が残ります。鬼平犯科帳でもよく名前が出てきます。
寛永元年(1624)浅野長晟により建てられた枡形の城門です。
清水門の作りも当時のままとのことで見る価値がありますね。
清水門からの石段は400年前から残る当時のものが残されています。実際に歩いてみると何とも歩きにくい段差ですが当時の人も着物の裾を持ち上げながら歩いていたのでしょう。
北の丸公園の中には何故か吉田茂の銅像がありました。昼蜀はこの木立の中で頂きましたが涼しくてスズメたちがたくさんやってくるなど自然を十分に楽しめて癒されます。都会の中にこんな癒しの空間があるのは驚きでもっと東京の誇りにしてよいところと感じました。
2回の歴史ウォーキングで江戸城の魅力を楽しみつくしました。江戸城は江戸時代の象徴でもありますのでもっと江戸時代の勉強をしてみたくなりました。 江戸検定もありますね。(30)