その①から続く

松前から車で江差の街に入ると大きな三本のマストが見えてきますが復元された開陽丸です。

幕末にオランダで建造された軍艦は幕府の最新鋭の武器であり切り札でしたが、江差沖で暴風雨により座礁・沈没してしまい土方と榎本の劣勢を決定づける形になりました。


この開陽丸を見下ろす高台ですが、旧桧山爾志郡役所の建物の敷地に土方歳三が沈没する開陽丸を見て、松の木を叩いて悔しがったと言われる嘆きの松が残ります。

少し眉唾な気はしますが開陽丸を失ったことはたいへんな悲しみであったことと思います。

めったに来れない江差の街を散策してみたいです。

かつてのニシン漁や北前船で繁栄した頃の歴史的・文化的遺産が多く残る街をいにしえ街道として整備して、昔の街並みを残し昔の面影、景観を楽しむことができます。

江差港では奥尻島へのフェリーが出ています。 ちょうど奥尻島からのハートランドフェリーが到着してきました。

狭い湾内でくるりとユーターンして着岸します。

JR江差駅です。江差線の廃線に伴い2014年5月に廃駅になりました。それまでは道内最西端の有人駅でしたが本当の無人になってしましました。

二日目の早朝ですが上野からの下りの北斗星が函館駅8番ホームに入ってきました。今後新幹線が開通してブルートレインが存続するか分かりませんが、とても雰囲気があって良いですね。撮り鉄の私にとっては楽しい瞬間です。

ここで客車を切り離していきます。


函館から非電化区間があるためここでディーゼル機関車にが変わりまして走行も反対向きになります。しかも機関車が2重連結ですね。

函館に来たらここにも必ず来ます。土方歳三終焉の地です。

剣に生きた土方歳三の人生もここで終わってしまいました。

馬上で銃弾を受けた土方は即死だったと言われます。この後に榎本旧幕府軍は降伏してしまいます。

新しい路面電車の姿も見えて活気のある函館の街でした。

途中フェリーターミナルで青函連絡船、ではなく津軽海峡フェリーを見つけました。ここから本州の青森や大間をフェリーでつなぎます。これも次に来た時にぜひ乗りたいと思います。


JRの大沼公園駅ですが函館から特急で30分で来れるのはさすが自然豊かな北海道だと感じますね。 これから北海道の短い夏を楽しむ人で溢れるのでしょうね。


大沼は国定公園で見渡す限りの自然豊かな環境に溢れています。時間があれば遊覧船とかカヌーとかウオーキングとか楽しみたいところです。

この大沼の真中を函館本線の鉄道が走っています。良い景色でしょうね。

森駅の近くですが漁村の辺鄙な海岸に上陸の碑が立ちます。当時は身も心も凍るような寒い中でこの鷲ノ木海岸に上陸しても寒くて暖も取れなかったと司馬遼太郎は書いています。

とにかく7月ですが強い風がたたきつけるこの海岸は立ってみれば当時の様子はあまりに過酷であったことが想像できます。


途中森町の道の駅にて有名ないかめしを食べました。

本場の味で美味かったです。

この日森駅にはSL函館大沼号が来ていました。一日一往復でこの森駅と函館を結びます。

函館駅では少し違和感がありましたが、森駅では雰囲気と良く合っていますね。

ゆっくりとSLの旅を楽しめるのも北海道の楽しみの一つですね。


線路のすぐ向こうには海が広がっています。冬はたいへん厳しい環境でしょうが駅にはたいへん趣があってローカル列車が良く似合います。

特急列車も停まります。

駅から10分、啄木小公園の横の海岸に土方歳三浪漫館があります。バスからもよく目立ちます。

土方の生涯がよくまとまっているので時間があればじっくり見たかったですね。


その後同じ海岸沿いの回転寿司の函太郎で昼を食べました。

とにかく見晴らしが素晴らしく海とカモメを眺めながら美味しい寿司をいただけます。ネタが大きく回転寿司とは思えないほど美味かったです。

最後に旅の締めくくりは温泉でしょうということで、函館山の麓、市営谷地頭温泉を訪れました。もっと鄙びた温泉を想像していましたが広くて立派な温泉にビックリで洗い場も70~80人が座れる広さと外風呂もあり、鉄分の多い茶褐色の温泉で旅の疲れが癒されました。

ここは路面電車の終点の谷地頭です。函館の温泉と言えば湯の川が有名ですが、我々旅人は銭湯とか共同温泉がいいですね。函館山は曇の中ですが体は汗を流して温泉でポカポカでした。


この日は時間があったので大門横丁覗いてみました。

まだ時間が早かったので飲み屋系の店は開いてなかったですが、入り口にある龍鳳さんで名物な塩ラーメンをいただきました。鶏の油のスープは〆に最高です。


二日間の函館旅でしたが、レンタカーで足を伸ばしたため函館だけでなく松前、江差、森、大沼公園と回ることができて楽しかったです。二日間で撮った写真は300枚です。それでもまだ行けなかったところがいろいろと思い浮かび、また来たいと思ってしまいます。(36)