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※ 写真、動画は全てインターネットから引用です。
本日は1609年に起きた「薩摩侵攻」後の琉球王国に生まれた重要な行事のお話です。
※ 琉球への薩摩侵攻の様子
・その名も「江戸上（のぼ）り」
1609年の薩摩侵攻により琉球王国は事実上薩摩藩の支配下になりました。これにより徳川幕府とも付き合う必要が生まれました。これにより自国の国王や徳川将軍が即位した際に江戸に使者を派遣し、従属関係を確かめる行事が行われました。これを「江戸上り」や「江戸立（だち）」と呼んでいます。
※ 1832年の江戸上りの様子
・全部で18回おじゃましました
1634年から、幕末の1850年までに江戸上りは18回行われました。これらには、琉球国王即位の際に派遣される謝恩使（しゃおんし）と、幕府将軍襲職（しゅうそく）の際に派遣される慶賀使（けいがし）とがありました。
・往復1年の長旅
六月ごろ季節風に乗り琉球を出発、薩摩山川港に至る。琉球館にてしばらく滞在し、九月ごろ薩摩を出発、長崎を経て下関から船で瀬戸内海を抜けて大阪に上陸。京都を経て東海道を東へ下り江戸に着くのは十一月ごろだったそうです。1～2ヶ月ほど滞在し、年が明けてから江戸を出発、大阪までは陸路、その後海路にて薩摩を経由し琉球へ戻る。ほぼ一年掛かりの旅でした。今は飛行機で2時間30分の旅です。昔の人は凄いですね。
※ 日進月歩(o^―^o)ﾆｺ
・利用された「江戸上り」
大坂から東海道を通り江戸に入いるこの道中は「異国を支配する薩摩藩」および「異国からの使節の来訪を受ける幕府」を前面に出すことによって民衆や各藩主たちに両者の権威高揚に利用されました。
※ 江戸上りのルート
・格好が中国風に見えるのはなぜ❓
実は、昔はチャイナ服着用を薩摩に強要されたと言われていました。事実、薩摩藩は琉球側に通達を出してますが、「江戸上りの際は中国風の旗や槍を持つように」との内容で、服については何も触れていません。最新の研究では、①当時の日本から見ればそもそも異国であり、わざわざ異国風を強要する必要が無かった。②琉球王国の正装はチャイナ服で琉装（琉球ならではの服）では無いのです。つまり大事な行事時は言われなくてもチャイナ服（正装）を着てのぞむものです。チャイナ服の着用は官僚たちにとってごく自然なことだったのです。①は異国感を強調するための薩摩の作戦ですね。
※ 庶民の平日はこんな格好
・利用されただけじゃない良い事も沢山あった「江戸上り」
良い事も沢山ありました。中でも一番の収穫は日本との「異文化交流」です。立ち寄る所×2で琉球文化を紹介するのと同じようにその地域の文化を見聞き出来ました。各地の日本文化を
吸収し、逆に琉球の文化を広めました。
※ 江戸城にて儀式中の琉球使節団
※ 各地で大人気だった楽童子（がくどうし）
・最後に
18回も行われた江戸上りは江戸では大変人気のパレードでした。華の江戸の人々を虜にした琉球王国の存在は、葛飾北斎が「琉球八景」と題して行った事も無い琉球王国の様子を描いている等、当時の江戸でも人気が高かった事を伺わせます。1年の長旅のメインは江戸城への訪問ですので、この時の使節団はさぞかし気合の入ったいで立ちで行ったことでしょう（長丁場なので緩い時は琉装をして歩き、ここぞと言う時は正装する等、緩急を付けていたと思われます）。江戸の庶民として琉球王国の江戸上りを見てみたかったです。
締めに江戸上りの非常に状態の良い巻物がありましたのでご紹介いたします。そこにはチャイナ服を着る者や琉装をしている者等様々な人々が躍動感に溢れた姿で描かれています。
今週も じゅんに（誠に） にふぇーでーびたん（ありがとうございました）。
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