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鎌倉時代後期

滋賀県守山市金ケ森町756 懸所金森御坊内

花崗岩製

塔高;374(日本石造美術辞典)

基礎幅;129.0 基礎高;49.5

軸部高;72.0 縁板状円盤部厚;6.0

首部下部勾欄高;18.0 首部上部高;9.5

首部高;27.5

塔身高;105.5

笠軒幅;131.0 笠軒中央厚;14.0 笠軒端厚;20.0

 宝塔は、低い方形のセメント基壇上に置かれている。

基礎は、ほぼ同大の方形石4石を、各側面中央で合わせる。比高は、低い。側面は、4面共同じ構図で、各面を2区に分け、枠内を浅く平底に彫り込み、更に、枠内に格狭間を平底に彫り込み、その中に、中央向きに配置した孔雀を、左右対向させて半肉に彫り残す。孔雀は、左右で中央へ逆向きになるが、8羽共に羽を広げ、尾羽を上向きに上げ、足は歩みを示すなど、微妙に異なる所は見られるが、ほぼ同形に作り、その造形には、躍動が感じられる。格狭間は、枠に合わせて少し立ち気味になり、上部や立ち上がりの曲線に美しい張りが見られる。孔雀の足の動きのためか、脚部は、大分広めにしている。格狭間の曲線は、一部に欠けたところもあるが、未だよく残っている。しかし、孔雀像は、側面ごとに、残りのいいところと摩耗が進んでいるところが見られる。

塔身は、全て断面円、軸部と縁板状円盤部、2段の首部を別石にして、2石で作る。軸部は、円筒形で、上辺部の肩を少し丸めて、上の縁板状円盤部につなぐ。ここまでを一石にする。軸部側面は、大分に摩耗が進んでいる。下部には、低い2段の帯が巡っている。『日本石造美術辞典』に「塔身の四方は扉型」とあるが、柱と上部の帯は明瞭でなく、何とか薄っすらと扉型を確認できるのは全体の半分以下で、他は、肉眼では彫刻を確認できなかった。首部は、別石で断面円の2段に作る。1段目は、笠木(架木)、桁、地覆、通たたらを薄肉彫した勾欄を巡らし、2段目はそれより細くして側面に柱を薄肉彫する。

笠は、断面四角、下に3段の斗栱型を別石で加える。軒は、適度の厚さで、水平部分を長く取り、左右に良く伸びて、両端近くで下辺より上辺を強く反り上げ、端で軒厚を増す。軒裏は、垂木型と隅木を薄く作り出す。屋根は、斗栱型の厚みを考慮してバランスを取るためか、軒幅に比べ低く作る。上辺の棟から繋がる隅降棟に稚児棟を付ける。上に露盤を作り出す。

相輪は、伏鉢、請花、9輪、請花、火炎宝珠までを1石で作る。請花は、単弁8葉。先を少し細めた9輪は、輪間を開け、明瞭に彫る。上部の請花も同様の単弁8葉。火炎宝珠は、下部の四方から頂部まで、宝珠に細帯状の火炎を張り付けた形に作る。

宝塔は、基礎4石、塔身2石、笠2石、相輪1石の計9石を組み合わせて作られている。この9石共、造立当初からの部材と考えられる完形塔である。
 

2024.03.06.撮影

参考文献;『日本石造美術辞典』(川勝政太郎著 東京堂出版 S.53.08.10)

懸所宝塔

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