事実報道に本ブログ記事が連載されています。
精神科医になんで薬物治療ばかりなのだと訊けば、多い回答は「人手が足りないとか」「時間がない」である。
介護の現場で、職員になぜ薬に頼るのかと訊けば、やはり、同じような答えが返ってくる。
人手が足りないとか時間がないというのは、多分に自己正当化した言い方で、本音は、経営が成り立たない、軋轢を恐れずに言うならば、儲からないからである。
精神科医療は階層型の薄利多売のシステムである。
少数の専門家が多数の患者を捌く。
どれだけ患者を捌いたかにより、報酬が決まる。
沢山診察し、沢山検査し、沢山投薬し、沢山入院させ、沢山隔離し、沢山拘束し、沢山電気ショックすればするほど儲かる。
上手くやれば、患者一人当たり、年間、一千万以上の利益が出る。
残酷なことをすればするほど儲かるシステムなのだ。
少数で多数の患者を捌くことになるから、効率よく患者を捌くために同じ様な方法で対応することになる。
患者の問題はそれぞれ多様であるはずだが、個別に対応する時間も人も能力もないから、症状だけに焦点をあて、チェックシート型診断で分類し、機械的に薬を処方することが蔓延する。
きちんとその人(患者)を見ていないから、副作用にも気が付かないし、その人の人生に興味がないから、薬物治療という安易な方法を押し付ける。
少数で多数の患者を捌くこのシステムが人権侵害を引き起こしているのだ。
わが国でも地域移行が叫ばれ、実際計画されているが、
このシステムを温存した現在の取り組みでは、なんの成果も得られないだろう。いやかえって、人権侵害を地域に広げることになる。脱施設化は、脱医学モデル、脱薬物療法とセットでなければならない。
精神科スタッフの国際比較をみれば、わが国が如何に薄利多売であるかがわかる。
諸外国では、患者より看護師の数の方が多く、例外のドイツやアメリカは、心理士やソーシャルワーカーが多いのである。
これはドイツやアメリカが遅れているのではなく、脱医学モデルが進んでいることを表している。
患者一人に大勢(多数)で関わり、一人一人丁寧に対応するのである。
患者は快復し、その後は患者を支援する側に回るのである。
話題のオープンダイアローグが素晴らしいのは、それが脱医学モデル、脱薬物療法であるからである。
それを棚に上げて、リフレクティングなどの手法に注目するのは的外れも甚だしい。
薬物治療前提のリカバリーと同じく、魂が抜けている。
ちなみに社会モデルの諸外国の精神保健に従事する人々の収入は、この薄利多売システムでのコメディカルや福祉職の収入よりはるかに高い。
これは社会モデルの方が遥かに優れていることを指している。
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