事実報道に本ブログ記事が連載されています。
高知新聞 2018年4月30日 過ぎし日の映え 野田正彰
より抜粋
ロボトミー裁判 北全病院・松沢病院
カルテを公表
「手術前、手術台にて、”どれ位切るんですか、かんべんしてくださいよ、脳味噌取るんでしょ、どれくらいとるんですか、止めてくださいよ、馬鹿になるんでしょ、殺されてしまうんじゃないですか、殺さないでください、お願いします、家へ帰らせて下さい、先生、大丈夫ですか、本当に大丈夫でしょうか、死なないですか、先生、先生、本当に死なないでしょうか、先生、先生、先生・・・・・といった調子で執拗に常同的な訴えを繰り返す。Grazie(優美さ)が全然ない。左側白質切截が終わると、途端に自発的に口をきかなくなる」こうして患者さんは死んでいった。脳を切るのを「止めてください」と哀願するのを、常同的とよび、Grazieがないとドイツ精神医学の用語で書く。こう書いたのは、広瀬貞雄・執刀医であり、後の日本医大教授である。切られた前頭葉皮質の一片は、恐らく台弘医師の無意味な研究材料となり、彼はその業績で東大教授となった。このような人たちが医学教育を行って、いかなる医師が、いかなる精神科医が育っていったのか。
三重県立高茶屋病院では8パーセントが3週間内に死亡。京都府立洛南病院では7名中4名が死亡している。亡くなった人だけではなく、生き残って前頭葉の機能障害のため感情や道徳心を喪失し、人格を低下させて苦しんだ多くの人びと。その姿が今に至る精神病への差別偏見の基底になっていったことか。病者と共に生きた人は忘れられ、殺人者は教授となり叙勲されていった。
ドイツの精神医学会がナチスドイツ時代に行った自分たちの蛮行について70年の時を経て正式に謝罪した。
そもそも、このドイツの精神医学会の謝罪の件を知らない精神科医が居ることに驚くが、その意味についてはほとんどの精神科医が理解していない。
現在のわが国の精神医療は、いまだにこの20世紀の人権侵害から脱していない。
減らない入院患者、施設。
入院施設そのものが人権侵害の巣窟となること。
診断をした瞬間から差別が始まること。
精神科治療そのものが、人権侵害の要素を払しょくできていないことをこの国の人間は知らない。
薬の服用を強要することも、長期入院、隔離拘束、不妊手術、ロボトミー、電気ショックといった重大な人権侵害と何ら変わりはない。人が他者を傷つけるという紛れもない人権侵害である。多剤併用大量処方は、国が違えば立派な殺人行為である。
システムもこの人権侵害を後押ししている。
残酷な治療法ほど、診療報酬が高いのだ。
そもそも精神医療に診療報酬システムは合わない。
何故なら、その治療行為の多くは治療目的ではないからだ。
そもそも治安目的で設立されたという、その呪われた生まれから続く、社会の保安機能としての役割の方が大きい。
社会の保安機能としての役割に対する報酬を、診療報酬システムの中でやろうとするから無理がある。
保安目的のただの鎮静や拘束を治療と呼ぶからおかしなことになる。
また、沢山の患者や障害者を必要とするのは、そのシステムが薄利多売であるからだ。
一人の患者から、最大限の収益を上げようとするから、不要な入院や過剰診断や過剰投薬も起きる。
診療報酬システムが、左の医学モデルに対応したシステムであることに気が付いているだろうか?
先進国の精神保健システムは、右の社会モデルである。
次の精神科スタッフの国際比較を見ても明確である。
この薄利多売システムの元では、患者や家族だけでなく、医療も福祉も全員不幸である。
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