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事実報道に本ブログ記事が連載されています。

 

*たいへん忙しく、ブログがなかなか更新できません。

 

今回の勉強会のゲスト講師は、神奈川オルタナティブ協議会(オルかな)代表の三橋さんと中川弁護士。

三橋さんからは、20年の現場から精神医療の実例を報告いただき、中川弁護士からは医療扶助・人権ネットワークの活動における不要な入院の実態、Eクリニックにおける患者の囲い込みの事例などが紹介された。

 

三橋氏の提示した生保受給者で精神科ユーザーの死亡例。その処方をみた議員からは、これ一日の量なのか?と驚きの声が上がった。別の議員からは、こうした多剤大量処方が学会でどう扱われているのか?皆がやっているのか?という質問が厚労省の担当に投げかけられた。

 

厚労省からの多剤の規制が進んでいるとの返答に加え、私から、多剤大量処方は学会でも、精神科医養成の教科書でも否定されていることをお伝えした。にもかかわらず、多くの精神科医がいまだにこうした処方を続けていること、さらに、規制は理想を100点とするなら10点にも満たない程度であること、精神科病院内では実質出し放題であることをお伝えした。

それを聞いた議員はひっくり返りそうなくらいに驚いていた。

 

議員からの質問は、極めてまともで、常識的に考えれば異常であることが共有されたと思う。

ここのところの勉強会には、各省庁から課長補佐クラスがずらりと並んでいる。

政治家主導で指摘がなされれば、官僚たちも動きやすいと思う。

核心を突いた議論に入ってきたように思う。

 

色々と圧力がかかると思うが、その時はそのまま報告させて頂きます。

 

以下は提出した資料の一部

1.1    多剤併用大量処方

諸外国は原則単剤。多剤併用大量処方はわが国、独自の問題。諸外国から非常識と指摘されてきたこの残酷な多剤併用大量処方は、この国では21世紀に入って最も悪化した。

多剤併用大量処方の流れ

コメント

1955年 クロルプロマジンが日本で最初の抗精神病薬(統合失調症治療薬)が市販された。

それまでのショック療法やロボトミーから薬物療法に移行した。

1970年代 2剤以上が主流になる(統合失調症患者に対し)

多剤大量処方の始まり

1980~90年代 定型抗精神病薬(古いタイプの抗精神病薬)の多剤大量処方(CP換算1000mg以上)が定着 非定型抗精神病薬(新しいタイプの抗精神病薬)の登場

多剤大量処方の悪化

1996年 心療内科が標榜科として認められ、町中に精神科クリニックが次々に開業

病院内での多剤大量処方が地域の外来患者に対して行われるようになった。統合失調症患者以外への多剤大量処方の始まり

1999年 新規抗うつ剤(SSRI)の登場、うつは心の風邪キャンペーン(製薬会社による病気喧伝キャンペーン)

精神疾患の商品化の始まり

不眠やうつでクリニックを訪れた患者たちに多剤併用が拡大。

21世紀 単剤使用が推奨された非定型抗精神病薬(新しいタイプの抗精神病薬)の普及

多剤併用の是正が期待されたが、さらに多剤併用率が高くなった。多剤大量処方の更なる悪化2009年全国調査 抗精神病薬2種類以上、CP換算1000㎎以上は29.9%

2011年全国調査 入院患者に対して3剤以上42%、4剤以上20%

非定型抗精神病薬の適応が拡大と共に行われた病気喧伝。

双極性障害キャンペーン

発達障害(ADHD、自閉症スペクトラム)キャンペーン

気分障害(うつ病、双極性障害)系に使用され始め、抗うつ剤と抗精神病薬の併用が始まった。

次に難治性うつに適応が拡大。

ついには自閉症スペクトラムの易怒性に対しても適応が拡大された。多剤大量処方がすべての精神疾患に拡大された。

何より問題なのは、発達障害・認知症診断の拡大に沿って、子どもたちや高齢者に対するの処方においても、非常識な多剤併用が行われていること。

未成年へのクラス間多剤併用率 抗精神病薬60.9% 抗うつ薬76.9% 気分安定薬92.9% 抗不安・睡眠薬61.5%

諸外国では、米国19%、オランダ9%、ドイツ6%と基本単剤処方。

 

 

 

 

まとめと提言


 20世紀末から始まった精神科バブル。もともと精神科病院で育まれていた多剤併用大量処方という悪習が、町中に乱立した精神科クリニックにより、町中にばら撒かれた。その結果、処方薬による夥しい数の薬物中毒者が生まれた。ちょっとした不安や不眠で受診した多くの市民が、過剰かつ長期に渡る服薬の末、重症の薬剤性の精神疾患患者となり、一生治らない障害者とされている。そもそも各種の治療ガイドラインに示されているように軽症の精神疾患患者は非薬物治療で快復する。
 2011年から始まった向精神薬処方、多剤併用大量処方に対する規制は多少なりとも効果を上げている。自殺者や休職者の減少はその表れと考えることも出来る。しかし、20世紀末から始まったうつ病バブルにより、患者・障害者とされ治らないうつ病患者はいまだ町中に溢れ、本人の人生を台無しにしているだけでなく、医療費や障害福祉の形で財政を圧迫している。すぐにでも、この20年に渡るうつ病治療の総括を官民挙げて行うべきである。
  懸念すべきなのは、うつ病治療の総括をすることなく、同じことが発達障害、認知症において行われていることである。発達障害も認知症も、うつ病と同じ道を歩みつつある。この分野にも、安易な薬物療法、漫然とした長期処方、多剤併用大量処方が持ち込まれている。子どもに対する過剰処方のリスクは成人と比べようもないほど大きい。近年の政策による処方の規制は、精神医療界の自律能力の欠如を露呈している。成長前の脳に対する影響は計り知れない。これはこの国の将来を左右する大問題である。                   
文責 全国オルタナティティブ協議会 中川
 

 

 

 

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