胆石・胆嚢炎と便秘:胆汁排泄障害の原因となる便秘の予防と治し方


「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 人間ドックで胆石が見つかり胆石症と診断された方、結構多いのではないでしょうか。成人の10人に1人は胆石をもっているといわれています。胆石症は、男性に比べ女性に多いのが特徴です。胆石症は、食生活の欧米化や高齢化で年々増加しています。いろいろな種類の胆石がありますが、このうちビリルビン結石とよばれる胆石は、便秘で増えた腸内の悪玉菌である大腸菌などを介して形成されます。また、胆石は、激しい腹痛を伴う胆嚢炎の発症原因となりますが、胆嚢炎の発症過程においても腸内の大腸菌をはじめとした悪玉菌による感染が関与しています。便秘になりますと、腹圧が高まり、それによって胆汁の胆管からの排泄が抑制されます。そのため便秘は、胆石の形成や胆嚢炎に深く係わることになります。ここでは、胆石・胆嚢炎と便秘:胆汁排泄障害の原因となる便秘の予防と治し方についてお話します。


胆汁は、食事の脂肪分や脂溶性ビタミンなどの栄養素の消化・吸収を助ける働きや、体内のコレステロール、胆汁酸や血液成分の代謝産物であるビリルビンなどの排泄を行う働きを有しています。胆汁は、肝臓で1日あたり約1リットル程度作られます。胆汁が通る道を胆道とよびますが、胆道は、肝内胆管、肝外胆管、胆嚢の3つに分けられます。肝臓の細胞内で作られた胆汁は、肝内胆管を通って肝臓の外に出て、肝外胆管と胆嚢を結ぶ管である胆嚢管を経由して胆嚢内に貯えられます。胆嚢とは、胆汁を溜める袋のことをいいます。

食事を摂りますと、胆嚢内で濃縮された胆汁は、胆嚢が収縮することによって肝外胆管に送り込まれ、十二指腸内に流れ出します。十二指腸内の胆汁の出口である十二指腸乳頭には、乳頭括約筋とよばれる筋肉があり、この筋肉のによって、乳頭が開いたり閉じたりして、胆汁が十二指腸内に出るのを調節しています。また、十二指腸乳頭は、十二指腸内の食べ物や腸液あるいは腸液内の腸内細菌が胆管の中に入るのを防いでいます。このように、食事を摂ることによって、十二指腸乳頭が開き、胆嚢内の胆汁が十二指腸に流れ出しますので、食事を抜いたり、不規則な時間間隔で食事を摂りますと、胆嚢内の胆汁が流れ出されなくなり、その結果、胆嚢や胆管内に胆汁がうっ滞し、胆石が形成されやすくなります。


胆道に胆石ができる病気を総称して胆石症とよび、胆石ができる場所によって、肝内胆石、胆管胆石、胆嚢胆石とに分類されます。胆石症の約80%は胆嚢胆石で最も多く、次いで、胆管胆石20%、肝内胆石2%の順となっています。このように、胆石症のほとんどは、胆嚢内で形成された胆石となります。


胆石は、その組成成分によって、コレステロール胆石、ビリルビンカルシウム胆石、黒色胆石、その他の胆石に分類されます。このうち、コレステロール胆石が最も多く胆石症全体の約70%を占め、次いで、ビリルビンカルシウム胆石15%、黒色胆石15%となっています。これらの組成成分からみた胆石の種類によって、胆石が形成される原因も異なっています。


脂肪分の多い食生活を続けますと、体内にコレステロールが蓄積されます。また、肥満、高脂血症、糖尿病などの病気にかかりますと、体内に過剰なコレステロールが蓄積されます。妊娠についても、コレステロールが蓄積される原因ともなります。さらに、慢性便秘では、腸内に食べ物が長時間留まるために、それに含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂肪分の吸収が高まり、体内に過剰のコレステロールや脂肪分が蓄積される原因となり、肥満症が引き起こされます。ぽっちゃり体型の女性に便秘が多いのはこの理由によるものです。


このように、体内に蓄積された過剰なコレステロールは、尿ではなく、胆汁の中に排泄されます。通常、コレステロールは、水に溶けませんが、胆汁中ではそれに含まれる胆汁酸の助けで、コレステロールは溶けた状態で存在しています。しかし、体内に過剰なコレステロールが蓄積されますと、胆汁中に排泄されるコレステロールの量も増えてしまい、余分なコレステロールは溶けることができずに、胆汁の中で固まり結晶となってそれが成長し、コレステロールの胆石が形成されます。


ビリルビンカルシウム胆石は、胆汁の色素成分が固まり結石となったものです。血液中の赤血球は代謝回転をしていて、寿命のきた赤血球は脾臓で分解されます。それと同時に、赤血球の重要な成分であるヘモグロビンも脾臓内で分解され、分解物としてビリルビンが生成します。 ビリルビンも、コレステロールと同様に、水に溶けない成分であるため、肝臓へ運ばれた後に、グルクロン酸とよばれる糖の一種と結合し、水に溶ける水溶性のビリルビンに変化します。これを抱合型ビリルビンといいます。水溶性の抱合型ビリルビンは胆汁中に排泄され、十二指腸から大腸に移動し、便の成分となって体外へ排泄されます。


しかし、大腸菌などの腸内の悪玉菌が何らかの理由で胆管や胆嚢内の胆汁中に侵入しますと、悪玉菌が分泌するグルクロニダ―ゼという分解酵素によって、結合していたグルクロン酸を切り離してしまい、水に溶けないビリルビンが生成することになります。この水に溶けないビリルビンが、胆汁中のカルシウムと結合してビリルビンカルシウム胆石が形成されます。便秘においては、大腸菌などの悪玉菌が繁殖した腸内環境となっています。すなわち、慢性便秘は、ビリルビンカルシウム胆石が形成されやすい環境となっているのです。


黒色胆石も胆汁色素成分が結石したものです。胆汁中のビリルビンが過剰になったり、胆汁酸の濃度が低下すると、ビリルビンがカルシウムの他にも銅などの金属元素と結合して複合体が作られ、それが固まって黒色胆石が形成されます。ビリルビンカルシウム胆石と同様に、黒色胆石の形成においても、大腸菌などの悪玉菌が関与し、悪玉菌が優勢となっている便秘はその原因の一因となります。


胆石症で最も多い胆嚢胆石の症状としては、無症状で症状がない人が多く、胆嚢胆石の約80%を占めています。胆嚢内に胆石があっても症状が現れないために、多くの人が胆石を持っていることを知らないということになります。そのため、人間ドックなどで、初めて胆石症であることを知る人が多いのです。症状のない胆石をサイレントストーン、「静かな石」とよばれています。胆嚢胆石でも症状が現れる場合もあります。胆嚢胆石に特徴的な症状は、胆石疝痛(せんつう)とよばれる激しい腹痛です。また、脂肪分の多い食事を摂った後に起こる上腹部の周期的な痛み、背中や右肩の痛みを伴う場合もあります。一方、胆管胆石では、胆嚢胆石とは異なり、約90%の方で何らかの症状が現れます。腹痛や発熱が代表的な症状です。また、胆管内に溜まった胆汁が血液中に逆流しますと、黄疸が現れる場合があります。


胆嚢炎は、胆石症や細菌感染などが原因で起こる胆嚢の炎症です。胆嚢炎の約90%は、胆石の形成によるものです。胆石が胆管に蓄積し、閉塞することによって炎症が引き起こされます。胆嚢炎の症状としては、右上腹部の痛みや呼吸したときに起こる腹痛です。右肩や右側腹部の痛みが続き、吐き気、嘔吐、発熱を伴う場合もあります。一方、胆石を持っていない人にも胆嚢炎が起こる場合があります。無石胆嚢炎とよばれています。無石胆嚢炎の原因の多くは、大腸菌による細菌感染が主な原因となります。腸内に生息する大腸菌が胆管を逆流することによって引き起こされます。大腸菌などの悪玉菌が優勢な状態となっている便秘は、胆嚢炎を発症させるリスクが高まります。胆石症および細菌による胆嚢炎では、それが悪化しますと、細菌が肝臓を経由して全身の血液中に広がり、敗血症が引き起こされる場合があります。敗血症は、生命に危険が及ぶ極めて深刻な病気です。


大腸菌などの腸内の悪玉菌が胆汁や胆管を逆流する事例としては、牛レバー生食食中毒事件が上げられます。現在、牛レバーの生食は、法律で禁止されています。当初は、牛レバーの生食で食中毒が起きるのは、牛を屠殺処理し解体するときに、腸内の細菌がレバ―の表面に汚染されるため、それを食べると食中毒が発生すると考えられていました。しかし、その後の研究で、牛を屠殺処理すると、腸内細菌が胆管や胆汁を逆流し、細菌が肝臓の中まで到達して、肝細胞が細菌で汚染されることが判明したのです。すなわち、肝臓の表面だけではなく、肝臓の中まで、腸内細菌で汚染されるということになります。これによって、牛レバーの生食が全面的に禁止となったのです。


このように、胆石の形成あるいは胆嚢炎と便秘とは深く関係しています。便秘は、胆石症や胆嚢炎の原因ともなります。胆石症や胆嚢炎に関係する便秘の解消においては、単に便秘を解消することだけでは不十分であり、問題の解決とはなりません。大腸菌などの腸内悪玉菌を減らし、ビフィズス菌や乳酸菌などの健康に有益な善玉菌を増やしながら、便秘を解消させる方策が必要となります。ですので、便秘薬や下剤の使用は、最適な便秘解消法であるとはいえないのです。なぜなら、これらのお薬には、腸内環境を改善させる効果がないためです。一方、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす効果が強く(プレバイオティク効果)、便を軟らかくして自然な排便を促進させるイヌリン食物繊維は、理想的な便秘解消法であるといえます。便秘の解消だけでなく、腸内環境を整える効果は、胆石や胆嚢炎の予防にもつながります。日頃から、腸内環境を整えておくことが、とても大切となります。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。黄疸、胆石や胆嚢炎の原因となる便秘の予防や改善に、このような健康補助食品を活用することも有用です。
便秘の解消法:女性の便秘解消対策









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