【可夢偉レポート】ハンガリーGP DAY2(P3&Qualify) | GOODSMILE RACING 広報ブログ

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KOBの予選は、残念な15番手に終わってしまいました。


何が残念かというと、グリッドポジションもさることながら、車両の保つポテンシャルを最大限に引き出しきれなかった、ということに関してです。

その理由としては、DAY1のプラクティスにおいて、ソフト側のオプションタイヤに一撃を入れられないという状況で、セッティングの適合作業において出遅れたことが原因です。

DAY2のP3においては、何とか一撃を入れられるような状態となり、ラップタイム自体は相対的に向上したのですが、相変わらずシャーシバランスの仕上がり具合は、KOBの満足のいく内容には届かず、結果、ラップタイムもQ3に進出するまでには至らずに終わってしまいました。
チームメートのPERも14番手に終わり、Sauberとしては、今回はこのあたりがやっと・・・と、いう状況です。

(もっとも、残念な結果に終わったのはKOBだけではなく、Mercedesの二人:MSCとROS、RedBullのWEB、Force IndiaのDIRもKOBと似たり寄ったりという感じです。)


こうした「不発組」とは逆に、良い結果に終わったのが、WilliamsのMALとSEN、そしてFerrariのMASとMcLarenのBUTでした。

タイヤの種類はソフトとミディアムと、前戦のドイツGPと一緒であり、Sauberとしては、ほぼドイツGPと同じエアロ・パッケージで臨んでいて、そのパッケージは、レース中にファステストラップを連発できる程のマシンだったことから、ファンの皆さんには、どうしてこうなるのかの理解に苦しむことでしょう。

今回、このような結果に陥ってしまったのは、ひとえにハンガロリング特有の古くてバンピーな路面と再舗装を施された最終コーナー、そして強い日差しによる路面温度の高さに対する適合作業に問題があり、個体としてのC31とKOBのドライビングに直接的な問題は無いものと考えています。

今のところ、適合を誤った(であろう)セッティング・パラメータは、すでに予選後に見当が付いているのですが、残念ながら、予選開始からレース終了までは、セッティングを変更できない規則なので、レースはこのままレースを走りきる燃料を搭載して走る以外に手はありません。


ということで、レースに向けては厳しい状況が予想されています。
ただ、燃料を搭載量が増えて重くなると、現在抱えているバランス不良の状況は改善される傾向にあるので、完全に悲観することはないですし、レースは雨絡みになることも予想されています。

KOBの車両は雨では悪くないので、レースでは、どのようなコンディションになっても、これ以上、状況が悪化することはありません。
あとは、ポイント獲得を狙う戦略と走りをするだけです。

幸いにも、現在、コンストラクターランキングを争っているMercedesも適合を誤って、KOBの周りに居ますし、仮にFgorce IndiaとWilliamsがポイントを獲得しても、Sauberへの影響は、現状は限定的です。

そこで、今回は、セッティングの不適合の原因究明はひとまずおいておいて、とにかくレースでMercedes勢を抑えてノーポイントに終わらせ、Sなんとかポイントを稼いでMerecedesとのランキング・ポイントの差を詰めるというレースに専念すべきところです。

出来たらForce IndiaとWilliamsの前にも出たいところです!


さて、KOB得意のスタートダッシュとオーバーテーク能力で、どこまで届くか。
戦略は、うまく機能するのか。
DAY3は、セッティングが取れていないマシンで、今シーズン最大のチャレンジということになりそうです。トップ10に入った車両でも、折からの路面温度の高さの影響を受けて、ドイツGPの時のように、足の短い車両が出てくるかもしれませんしね!

と同時に、残りのレースで路面が高温になりそうなサーキットでのセッティング適合策も、今後、2度と発生しないよう、平行して練り始めます。

以上のような状況を踏まえ、これまでの走行データを見て、レースの趨勢を予想してみましょう。

基本的に、ハンガロリングはリヤタイヤの性能劣化がタイヤの「保ち」を左右するので、オーバーステア気味のセッティングを取っているドライバーは、戦略の幅が狭くなります。
高い路面温度が、このオーバーステアの悪化を助長することも考慮に入れなければなりません。

しかも、どのチームもセッティング適合に時間を取られ、さらにはプラクティス中の雨の影響で、どれくらいタイヤが保つのかというデータは回収できていません。

タイヤの保ちのデータが無いのは、ドイツGPと似た状況ですが、今回は予選がドライだった事と、予選上位を目指す為に、Q3に進出するしないに関わらず、ほぼ全員がソフト側のオプションタイヤを使い切ってしまいました。

そして、Q3進出組は、規則により、予選で使用した中古タイヤでのスタートとなります。

こうなると、70ラップという長いレースにも関わらず、Q3進出組のスタート直後から、1回目のピットインまでの周回数は、スタート時の燃料搭載量が多くて、タイヤに負担を掛けることから、かなり短いものが予想されます。
堅い方のプライムタイヤとのラップタイムの差は、およそ0.5秒から0.7秒と目されているので、判断の分かれ目は、プライムタイヤの保ちと考えて良いでしょう。

こうして考えると、標準的な戦略は2ストップで、
L1がグリッド通りに終了したとすると、レースをリードするのはHAM、GRO、VETで、その後ろをBUTとRAIが追走。
さらに、その後ろを序盤ペースを敢えて戦略的に抑えて走るALOとMASが、後続を従えて進むことでしょう。
ALOとMASは、BUTとRAIを攻略することをターゲットにしていると目され、後続から抜かれる事は考えていないでしょう。

まず最初にリヤタイヤ酷使組が、これらの隊列から脱落し、ポイント圏外に落ち、BUTとRAIに対するペースをコントロールできたP11~P17のドライバーがポイント圏内に滑り込んでくる・・・と、いった具合でしょう。

当然、KOBは、このポイント圏内を狙います。







と、ここまで書いてみたモノの・・・・


すでに、おぼろげではありますが、セッティング不適合の直接の原因の見当は付いているので、こちらも「ぐぬぬぬぬ・・・そこかぁ」という状況です。

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※レポート内のドライバー略称は以下の通りです。

KOB=小林可夢偉
PER=セルジオ・ペレス
MSC=ミハエル・シューマッハ
ROS=ニコ・ロズベルグ
WEB=マーク・ウェバー
DIR=ポール・ディ・レスタ
MAL=パストール・マルドナド
SEN=ブルーノ・セナ
MAS=フェリペ・マッサ
BUT=ジェンソン・バトン
HAM=ルイス・ハミルトン
GRO=ロマン・グロージャン
VET=セバスチャン・ベッテル
RAI=キミ・ライコネン
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