【可夢偉レポート】ハンガリーGP DAY1(P1&P2) | GOODSMILE RACING 広報ブログ

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う~む、悩ましい・・・。
KOB、というかSauber、ハマりました。


今回のDAY1、久しぶりに、コンディションの安定したP1&P2(ただし、P2の後半で、雨がドバッと来るまでの話ですが)の見立てで始まった初日でしたが、雨の影響は別にして、ドライ・コンディションでは、思ったように車両のバランスが取れずに終わってしまいました。
ラップタイム的には昨年のハンガリーGPの初日から比べるとP1ではプライムタイヤでマークしたベストタイムが約1.5秒のタイムアップで好調な滑り出しに見えたのですが、バランスとしてはKOBは走行開始直後よりグリップ不足を一貫して訴えており、P2ではオプションタイヤでマークしたベストタイムが対昨年比で約0.8秒のタイムダウンに終わってしまったのです。


このように自チームに「?」という走行結果が出た場合、同じような現象が他にも出ているかどうかを調べて、まずは、自チームの相対的な立ち位置を確認する必要があります。



早速、他方に目を移してみると・・・いました。


意外にも、今回、P1とP2の両セッショントップタイムのHAMでした。
HAMは昨年も両セッショントップで、それぞれP1は約0.5秒のタイムアップであるのに対し、P2では0.9秒のタイムダウンに終わっています。
もちろん、こうしたデータの直接比較は、燃料の搭載量などが違っているケースがあるはずなので絶対的な意味は無いのですが、スポーティング・レギュレーションが基本的に変わって居ないので、昨年も同じような走行プログラムで走っていることから「傾向」として比較することは参考となります。

一方、こうした状況と違う症状が出ているチームもあります。
「翼を失った」チームは、対昨年比で両セッションともに遅くなっていますし、逆に両セッション共に早くなったロータスのようなチームもあります。

翼を失ったチームは、昨年から何を失ったかのが明白(ホット・ブロー)であるうえ、今回から、3D&ブローマップ(ラムダドライバ)を禁止されたのである意味「自然」ですが、侮ってはいけません。
彼らは、他チームを欺くために、この機会を利用して、わざと多くの燃料を搭載(デッド・ウェイト)を搭載していたりしますので・・・。

両セッション共に速くなったロータス(昨年はルノー)は、何をしたのか?
これも、見極める必要があるでしょう。
(ただ、このロータス(旧ルノー)は、ドライバーのコンビネーションがPET/SEN/HEIからGRO/RAIに変わっていることは留意しておく必要はあるでしょう。)


RAIも、走行後のコメントで
「これまでウチに足りなかったモノが解った気がする・・・」
とも発言しているので、やはり「何か」対処法が、あると見るのが妥当でしょう。
それに、完全なドライ・セッションということで、各チームとも、これまで計測しきれなかった「シルバーストーン・アップグレード」の真価が与える状況も考慮しておかねばならないでしょう。



さて、以上のような複雑な背景もさることながら、そもそも、今回のDAY1はP1の路面温度MAX39度から、P2のマックス48度まで10度近くの違いがあったことに、今回の「?」の原因のひとつとして考えなければなりません。


そこで走行データを見ていくと、ほとんどのチームがプライム・タイヤ(ミディアム)から、オプション・タイヤへ変えてもラップタイムの伸びが0.2秒から0.8秒という状況で、チームによって差違はあっても、ラップタイムの伸び幅が小さいのが、注目点として浮上してきます。

このように、色々な情報を俯瞰で見ていくと、午後の高い路面温度の元で、オプション・タイヤ(ソフト)を、いかにして機能させるかという問題こそがカギだったのでは?と、思えてきます。


実際、DAY1の各チームの走行後のコメントでも、それが推測できます。
なぜなら「バランスにハッピーだ。明日はイケる。」と、コメントしたドライバーがいないからです。
それは、誰もがそれなりに「困って」いるという証左であると見ていいのではないでしょうか。

ということは、「ハマった」とはいえ、KOBの挽回のチャンスは、まだまだ残されています。
そもそも、直近の目標であるメルセデス勢からは、大きく離されてはいません。
一晩、策を練って、DAY2、頑張るのみ!

その結果を確かめるためにも、P3がドライであることを祈ります。
では、DAY2をお楽しみに!


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※レポート内のドライバー略称は以下の通りです。

KOB=小林可夢偉
HAM=ルイス・ハミルトン
PET=ヴィタリー・ペトロフ
SEN=ブルーノ・セナ
HEI=ニック・ハイドフェルド
GRO=ロマン・グロージャン
RAI=キミ・ライコネン

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