【可夢偉レポート】スペインGP レポートDAY2 (P3&Qualify) | GOODSMILE RACING 広報ブログ

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う~む、残念。

KOBの予選はQ3進出を果たしたのに、
油圧系統のトラブルにより走行不可能となって、
P10に終わってしまいました。

普通に走れていたら、PPはムリでしたが、
P2~P5を争えていたという感触があっただけに、複雑な気分です。

現状の良いニュースは、新品のタイヤ(オプションx1、プライムx2)が残っているということで、
2ストップなら、スタートから全て新品で行ける・・・と、いう状態にあることです。
(ただし、それはBUTもWEBも同じですけど。)



さて、今日のDAY2を振り返ってみましょう。


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まず、前日のレポート で触れたエンジンの話ですが、
P3と予選のインターバルは正味2時間を切っているので、
エンジン交換は、通常、DAY1の夜に行います。

で、換装されたエンジンで走り出すP3において、
P2の結果からして、突然、パフォーマンスを発揮しはじめたのが、
MAL、KOB、PER、そしてALO、VERでしたね!

レース前に、F社のエンジン・エンジニアに、「ALOのエンジンは?」と、聞いたら、
「想像は間違ってないと思う」とニヤリとしていましたので、
やっぱり、そうなんですね。(ちなみに、KOBも想像(笑)通り。)

もちろん、P3での燃料の搭載量は、チームのみぞ知る事なので、なんとも言えない(特にRAI)のですが、
少なくとも上記の5台のうち4台が同じブランドのエンジンを搭載していますね?

多分、偶然ではありません(笑)。


セッティングも進むので、全てがそうだと言わないにしても「伸びしろ」は、あるということです。
P3の5番手から9番手までは、約0.15秒の間にひしめいているわけですから「伸びしろ」の貢献度は大きいと言っても差し支えないことでしょう。



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そして、予選です。

例によって、まずはデータを記す事にしましょう。
下記は、メインストレート・エンドのスピードトラップの記録です。

1 10 R. GROSJEAN 323.2
2 9 K. RAIKKONEN 323.1
3 16 D. RICCIARDO 319.4
4 17 J. VERGNE 318.9
5 4 L. HAMILTON 318.3
6 3 J. BUTTON 318.2
7 11 P. DI RESTA 317.8
8 12 N. HULKENBERG
9 7 M. SCHUMACHER 316.7
10 8 N. ROSBERG 316.5
11 20 H. KOVALAINEN 315.6
12 5 F. ALONSO 315.5
13 6 F. MASSA 315.5
14 21 V. PETROV 315.5
15 14 K. KOBAYASHI 315.5
16 19 B. SENNA 313.8
17 15 S. PEREZ 313.7
18 18 P. MALDONADO 313.7
19 2 M. WEBBER 311.2
20 1 S. VETTEL 311.1
21 23 N. KARTHIKEYAN 310.8
22 25 C. PIC 310.7
23 22 P. DE LA ROSA 310.6
24 24 T. GLOCK 310.4 14:20:46


注意しなければならないのは、これはベストの記録なので、
Q1で終わっているドライバー、Q2で終わっているドライバー、Q3まで進んだドライバーの記録が混在しています。

でも、ほぼキレイにチームメート同士が並んでいる事が解ると思います。
そして、GRO、RAI、VET、WEBはDAY1(というか、バーレーンから)それぞれ、セッティングが一貫していることが解りますね。

そして、下記が予選の第2計測地点(セクター2)でのスピードトラップの記録です。

14 K. KOBAYASHI 290.4
3 J. BUTTON 290.3
18 P. MALDONADO 290.1
15 S. PEREZ 287.4
5 F. ALONSO 286.3
17 J. VERGNE 285.9
10 R. GROSJEAN 285.7
4 L. HAMILTON 285.7
19 B. SENNA 284.4
8 N. ROSBERG 284.1
12 N. HULKENBERG 283.4
2 M. WEBBER 283.0
11 P. DI RESTA 281.9
16 D. RICCIARDO 281.2
9 K. RAIKKONEN 281.0
7 M. SCHUMACHER 280.5
1 S. VETTEL 280.0
6 F. MASSA 279.7
20 H. KOVALAINEN 276.4
21 V. PETROV 276.1
25 C. PIC 272.7
24 T. GLOCK 271.4
23 N. KARTHIKEYAN 258.6
22 P. DE LA ROSA 258.0

この場所は、裏ストレートからRのキツいT10に至る場所ですが、
言ってみればブレーキングポイントです。

ここで、KOBとBUTが1-2です。

これは何を意味するかというと、
ブレーキを奥まで我慢している能力と共に、それを可能にするダウンフォースのレベルの相対的な高さと推測しても良いと考えられます。
(しかも、Q2で走行を終了したKOBとBUTの方が、PPを獲得したHAMより速い事が解ります。)

例えば、VERはKOBに対して、メイントレートのスピードトラップ(ここは、ブレーキングポイントより手前です)では時速3km以上速いですが、第2計測地点では、VERはKOBに対して、時速4km遅いです。

つまり、KOBはVERに対して見ると、
ダウンフォースを付けていて、
さらには相対的なブレーキ能力を駆使できるセッティングになっていると推測することが出来ます。
(カタルーニャでは、T10へのブレーキング勝負が、唯一のオーバーテーク場所であることもポイントです。)

ここでは、RAIとGROが遅いのは、そういう(レス・ダウンフォースのセッティングなので、早めにブレーキングを開始しないと止まれない)理由と推測しても良いでしょう。
ただし、Q2のP4のPERからP10のMSCまで0.13秒、P5のRAIからP9のKOBまでは、なんと0.041秒しか離れていない、まれに見る激戦での話です。

DAY1のレポートで「プロの・・・」と、記した理由はこういう部分にあるわけです。

さらに、レースを通した前述のブレーキングやコーナリング重視のセッティングは、通常は暑くてコンディションの悪い状況に効くのですが、明日のDAY3は気温が低くなるという予報・・・。

さて、レースは、どのような展開になるのか?

暑くなると、KOBやBUT、そしてMALのようなハイダウンフォース・オプションのドライバーが有利になります。

逆に、涼しくなってタイヤの負担が減ると、GROやRAI、そしてHAMに有利になります。

みなさんも、上記のデータを見て、色々と想像してみて下さい!

では、明日のレース、お楽しみに!
我々も、気持ちを入れ替えて、新品のタイヤを最大限に使えるように頑張ります!


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・・・・・・・あ“ー、
MALと勝負する予定だったのにぃぃぃぃぃ!




==【5.14 10:30 追記】================

レポートを送信した後に(現地時間19h29)に、
FIAからHAM失格の裁定が下り、MALのPPが確定することとなりました。
理由はどうあれ、これでKOBはコースのクリーンサイドの9番グリッドからスタートすることになり、少しだけスタート・ダッシュに関する状況が良くなりました。

加えて、20時頃から、予想されていなかった雨、(それもかなりの量)が降り、コースが荒れてしまっています。
これにより、多くのチームのセッティングの「前提条件」が変わってきています。
レースの結果は、ますます解らなくなってきました。

朝はこんなに晴れてましたが
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マレーシアのスコール並みに、雨が降ってきました。

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※レポート内のドライバー略称は以下の通りです。

KOB=小林可夢偉
BUT=ジェンソン・バトン
WEB=マーク・ウェバー
RAI=キミ・ライコネン
MAL=パストール・マルドナド
PER=セルジオ・ペレス
ALO=フェルナンド・アロンソ
VER=ジャン=エリック・ベルニュ
GRO=ロマン・グロージャン
VET=セバスチャン・ベッテル
HAM=ルイス・ハミルトン