今日は畜生道についてお話ししたいと思います。
先日より記しております地獄界、餓鬼界と、今回の畜生道の三つを合わせて「三悪趣(さんあくしゅ)」と言われ、この三界には生まれ変わってはいけないと昔からされています。
畜生、つまり動物の事なのですが、かわいいペットを飼っておられる方からは「悪く言うなんて動物差別だ!」と言う声も聞こえてきそうです。
確かにそういうふうに捉えられがちですが、動物の性質、生態などを深く見ていくと何となくわかっていただけるかと思います。
まず、どういう魂が畜生道に生まれ落ちるかと言うと、本能の赴くまま食欲、淫欲、睡眠欲に遅れたり、愚痴や妬みが強かったり、ときには暴力で他の物を傷つけたりする者たちが該当するようです。
素行の悪い集団、昔で言う山賊や海賊とか、ネチネチと人の悪口ばかりを口にして狭い世界に固執している人などが容易に想像できますね。
執着が強いと言う点では餓鬼界と共通しているところも多いですが、軽度なものがこの畜生道に堕ちるようです。
愚痴の多いものは蟻や蛆となり蠢き続け、妬みや嫉妬の強いものは蛇やサソリとなって毒を持ち地を這いまわる。
淫欲に溺れた者は無知の生涯をおくり、暴力にモノを言わせて悪行を働いた者は終わりの無い食うか食われるかの厳しい世界で怯えながら暮らす、といった具合でしょうか。
この世で作った因果によってまだまだ多種多様な世界が展開するのですが、ここでは書ききれないので割愛させていただきます。
地獄や餓鬼界に比べて畜生道は、人間界とほぼ同じ場所にありますので一生も短く、また人間界を目の当たりにして目標を持ちやすかったり、または愚か者を反面教師として自己反省したりと、上へのステップに足をかけやすいかとは思いますが、まだまだ上がるには何回も転生して魂を磨かねばなりませんので大変です。
こうやって見てみると、人間界が如何に恵まれていて、かつ貴重な期間かお分かりいただけるかと思います。
時間、人から受けた恩、縁、他の者や生き物や自然、見守ってくださっているご先祖様やご神仏様の愛を大切に生きていきたいですね。
私も頑張らねば。
次回は修羅道についてお話ししたいと思います。
