大念仏寺 八大竜王殿 | 祈りの山旅

祈りの山旅

祈りを込めてお山に上がる「登拝」や
神社仏閣、聖地への参拝を通して変わる心の旅。

山伏の私が登拝、参拝の案内人を務める「祈りの山旅」の活動記録、
予定告知、日々の感想記です。

僕の所属している平野五流講のお堂、八大竜王殿です。



大阪の平野区にある、融通念仏宗の総本山の大念仏寺さんの境内の北側にあります。

お堂の横には存在感たっぷりのご神木がいらっしゃいます。



境内に在るとはいえ、融通念仏宗ではなく修験道の本山派に属しております。
ここでは毎月二回、初辰の日と十六日の午後二時から護摩が焚かれており、僕も参加してます。

本尊は縛魯拏天八大龍王(ばろだてんはちだいりゅうおう)で、ちょっと珍しいです。

八大竜王様なら沢山お祀りされている所はありますが、この尊格は他を探してみたけど今の所見当たりませんでした。

縛魯拏天が何を意味するのか調べてみると、水天のご真言が「オン バロダヤ ソワカ」でしたので、水のご神徳を特に強調したお名前の様です。

そもそも、龍神様は水の循環の御働き(それ以外にも勿論ありますが)を現されております。

簡単に説明しますと、山に雨が降って谷に集まり川となり(若しくは地中に染み込み湧き水となって溢れて川となり)、海へと流れて日で温められて蒸発して雲となり、また雨になって地に帰ってくる、といったサイクルです。

その途中で全ての生き物に恵みを与えておられます。
この循環が止まると、水は干上がるか腐敗するかのどちらかで、地球上の生物は死に絶えるでしょう。

西洋では悪の象徴とされる事もありますが(確かにそういう面も持ちあわせておりますが)、命が育つ為に大変重要なお役目の神様と言えます。

ちなみに時々、空の雲が龍の形に見える事がありますが、水の循環の中で粒子が集まって形になる瞬間なので、言わば当たり前の現象だと思います。


(奈良県 行者還トンネル付近にて)


(奈良県 弥山山頂より)

お堂の中には修験道の道場らしく、他にも不動王様と役行者様をお祀りしております。

もし近くに来られる機会がありましたら、是非お立ち寄り下さい。