スチュワード物語 第2章 卒業 ⑤ | 映画「スチュワード物語」2013年秋公開のブログ

映画「スチュワード物語」2013年秋公開のブログ

一人の日本人男性が海外に渡り、日本で実現出来なかった国際線の客室乗務員になる物語です。日本の空には男性パイロットは多数存在しますが、男性客室乗務員は殆ど存在しません。

この物語を通して今後多くの男性客室乗務員が増えてくれることを期待します。

「メイクアップレッスン」


新人トレーニングは今日を含めて残り7日間となりました。勝弘を含めた12人は正直なところ、この4週間足らずの期間で相当な勉強を強いられて来たので、頭の中はパンク状態でした。そんな中、今日のとトレーニングはいつもと異なった趣向に皆、ワクワクしていました。


と言っても、それはもっぱら、女子8人が対象で、残りの男子4人にとっては、女子たちのはしゃぎぶりが、不思議な感じでした。


「ジャスティン、俺達が必要なのは基本的にキレイにヒゲを剃ったり、鼻や耳毛、それから眉毛の手入れぐらいだよね。」


勝弘が少し眠そうなジャスティンに話しかけると、それまで、退屈でウトウトしていたジャズティンが一瞬、はっとして目を大きくし、それから、大きく息を吐き、少し面倒臭そうに「そだよね。あと爪を切ったり、靴を磨いたり、制服にきちんとアイロンをかけたりしておけば、アピアランス(身だしなみ)チェックOKだよね。」と返事をしました。


多分、連日のトレーニングの緊張感やこれまでの復習、そしてこれから先のサービスの予習で疲れているんだろうと、勝弘は思いました。


すると、隣にいたジェームズが割って入って来て、会話が別の方向に進んで盛り上がりました。


「でもさ、ゲイの先輩はヒゲを永久脱毛して、顔にパックしたり、毎日、乳液も欠かさず塗ってケアしているそうだよ。だから、俺らもやって方がいいんじゃない?」

とても、本気で言っているようで無く、とりあえず暇だから、会話をふくらませようと言った感じでした。


隣の部屋では、ズラリと並んだ化粧台の前に、すっぴんになった女子達が座らせられ、正しい肌のケアのやり方や、メイクアップをする際のコツなどを実演を交えながら習っているようでした。勝弘たちにとっては、たいして興味が湧くわけでもありませんでしたが、女子に言わせると普段、TV局に出入りするタレントや有名モデルさんたちを担当しているメイクアップスタイリストの方々が直々にレッスンしてくれるそうなので、とても貴重だと言っていました。


さっきまで、じっと黙って、アピアランスマニュアルを読んでいたアンディも勝弘達の会話に参加しました。アンディは若干、ゲイっぽい所があり、あからさまにそう言う所を見せる事はありませんでしたが、時々みせる仕草が女のっこぽい所やスゴクおしゃれに気を使っている所、お喋り好きで、うわさ話が大好きな辺りから、良く間違えられると本人は言っていました。


「スチュワードってゲイが多いと聞くけど、それは本当だね。」「大体、3割ぐらいがゲイじゃないかって言われているよ。」「俺、ゲイとストレートの違いを一瞬で見分けられるんだぜ。」とアンデイが自信満々に言いました。


「へえー、それは、面白そうだね。どうやって見分けるんだい?」


「それは、目が違うんだよ。最近はストレートな男性でも永久脱毛したり、フェイスパック、軽い化粧までするおしゃれな男が増えている見たいだけどね。ゲイとストレートの決定的な違いは、男を見る時の目なんだ。“ゲイの場合は、男を見る際、目がギラギラしている”んだけど、わかるかな?品定めをするようなガン見しているって言う感じだよ。」


「ホントに。」と勝弘が相槌を打ちました。


すると、アンディはまくし立てるかのように、一気に「まあ、キウイエアラインや隣の国のオージーエアーにも、ゲイは多いから、今度、空港でスチュワードを見かけたら、よーく観察してご覧。そうそう、ジャスティンとジャームズは男っぽいから、大丈夫だけど、勝弘は少し女性っぽい所があるから、気をつけた方がいいよ。」と少し余分な忠告をしてくれました。

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※ANAさんのB787:機内の気圧が低く、離着陸の際に耳の不快感が殆ど感じられない点や酸素の濃度も他の機種より高いので、快適性が増しています。


勝弘が女性っぽく見られる原因は、本人が育った家庭環境に起因していました。姉が2人の3人兄弟の末っ子として成長した勝弘は、子供の頃は必然的に姉達と一緒に遊んでいたので、一緒に家庭で見るTVアニメがキャンディキャンディやサリーちゃん、ひみつのアッコちゃんだったり、女の子向け、子供雑誌の“りぼん”や“なかよし”と言った漫画も愛読してました。


又、両親が共働きでだったので、幼年期に最も長い時間一緒に過ごしたのがおばあちゃんだったので、子供の頃からおばーちゃん子だった事も勝弘の性格形成に大きな影響を及ぼしていました。


・・・その日のレッスンは一日がかりでしたが、男子はやる事がないから14時帰って良い事になりました。


「やったー、ラッキー。」と4人が思っていると、「折角、シティまで来たから、皆でDuty Free Shopによって行こうぜ。」とアンディが誘いました。


特に、他の3人も異論はなく、勝弘たち4人はオークランド中心部に位置する免税店に向かいました。


つづく。



最後まで読まれた方は、コメント是非、コメント書いて下さい。あなたの心あたたまるコメントが何よりも、小説を書く原動力になりますので、どうぞよろしくお願いします。m(u_u)m

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飛行機「スチュワード物語」のストーリー説明

日本では珍しい男性の客室乗務員として、約7年間ニュージーランド航空で働いた著者の自伝をベースに作ったストーリー。

実際に出てくる人物名やその他は架空のものです。

第一シリーズは主人公の武藤勝弘が念願のキウイエアラインに内定し、そこから3度の短期契約を経て正社員に昇格するまでの1年半を描いています。

外資系航空会社のキャビンアテンダントとして働く日本人男性の事をもっと多くの方に知って頂けましたら嬉しいです。

キウイエアライン:南半球、ニュージーランドの航空会社でその国を代表するフラッグキャリア。


武藤勝弘:主人公、東京の旅行専門学校を卒業後、大手旅行会社で3年間外販セールスを担当、その後、ヨーロッパ中心の添乗員を目指し、イギリスに留学、それがきっかけで航空会社の客室乗務員を目指すようになる。


木村剛:勝弘の先輩フライトアテンダントでメンター的な存在。キウイエアライン以外にジャーマンエアウェイズでも3年間の乗務員経験がある。

ミッシェル:勝弘達、契約ベースFAのインストラクター、乗務歴8年、夫はキウイエアラインの副操縦士

「勝弘の同期入社のFA」

ジェームズ:ウエリントン出身、元バーテンダー、28歳

キャシー:ハミルトン出身、元グランドスタッフ、27歳

アンディ:クライストチャーチ出身、元ホテル勤務、24歳

カオリ:オークランド出身、元化粧員販売員、24歳、日本人の母とNZの父を持つハーフ、子供の頃埼玉に一時期住んだ経験がある。

レイチェル:タウポ出身、新卒、23歳、日本の栃木に留学経験あり。

ミキコ:クィーンズタウン出身、元ホテル勤務、28歳、日本の大学を卒業後、家族でニュージーランドに移住、両親はおみやげ屋さんを経営。

ジャスティン:オークランド出身、元宝石商、25歳

アメリア:オークランド出身、元小学校の先生、26歳

ジェーン:ウェリントン出身、グランドスタッフ、32歳

ケイト:オークランド出身、元UKエアーのFA、27歳

スーザン:タウランガ出身、元ホテル勤務、29歳、日本の新潟に留学経験あり。

サラ:クライストチャーチ出身、元旅行株式会社勤務、30歳
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