「弁護士はどこにする?」
「この家も売ろう。不動産屋に査定してもらわないと。」
どんどん話を進めていこうとする異界の住人。
「財産分与するなら、私の個人資産分ちゃんと返してね。」
「えっ。そんなの対象になるんだ。」
「当たり前でしょ。私の個人資産の上に成り立った資産なんだから。
家も、車も。」
「車はオレの金で買ったんだと・・・」
「あれも私の個人資産が入っています。
私が通勤で毎日乗ってばかりでズルいと言って、奪ったけど。」
「家のローンだってみんな普通、何年ローンを組んでるか知ってるの?
35年ローンとかだよ。退職金あてたり、下手すれば親子2代で組んだりしてるのに。
それが20年そこそこで返し終わるってどう思ってたの?」
「えっいや・・・オレだってローン返済してるし。」
「?結婚してからのお金は夫婦の。結婚前のは個人の物。
個人の物の上に成り立ってるんだから、ちゃっかり半分分与なんかありえないでしょ。」
「えっ・・・まぁいいや。弁護士が公平にやってくれればそれに従うよ。」
「じゃあこれから、今の状態を改善して、いろいろお互いに話しをする様にするか?」
??・・・何を今更言っているのこの人は?
「何を話す事があるの。」
「いや、いろいろ。会社の事とか。何でも。」
「無理。どうせ人の話なんか聞いてないし、共感なんかしないでしょ?」
「いや、聞くよ。」
「セリフの様に、台本に書いてあることを読んでるだけみたいなんじゃなんの意味もないんだよ。
私はそれを感じちゃうの。」
「なんかよくわからないけど。」
「とりあえず、今週いっぱい考えて、早急に決めないと・・・」
「あなたは、結婚してどうしたかったの?」
「えっ・・・いや・・・笑いあって、話し合って・・・」
えっ?何言ってるのこの人?
笑いあって話し合って?
これって、全て私が求めてきた事。
あなたはこれを台無しにしてきた側の人じゃないの?
正反対の事をしてきた人じゃないの?
誰にも邪魔されない自分の世界に閉じこもって、
人を貶めて優越感に浸り、
自分は何も考えず、人にやらせてダメ出しをする。
人の話も聞こうと思わない。
ヘラヘラと人を小バカにする笑いで。
人の事も見ないけれど、自分の事も見ていないんだね。
あなたの言った
「笑いあって、話し合って」
って、あなたの考えなの?
何かの受け売りじゃないの?
<結婚とは><家族とは>
と言われている事をただ単に覚えて、口から言っているだけじゃないの?
自分の事もわからない人に、何を説得できるだろう?
現実の自分と、妄想の自分の区別もつかない人に・・・?
・・・これが今回の出来事。・・・
長男が一人暮らしを始め、次男が大学へ入学し、
しばらくして落ち着いたら少しずつ離れる方向へと準備しようとしていた矢先の出来事。
異界の住人は、お金がもったいないし泥沼離婚をしたくないと、
2人で1人の弁護士を入れて離婚の話し合いをしようとしている。
でも、どうなんだろう。
お互い特別な理由がない離婚ならそれでも良いかも知れない。
でも、カサンドラは?
今までされてきた言動を無かった事にして、穏便に離婚できるの?
良い人のまま財産分与に応じ、サラッと別れられるの?
死にかけるほど苦しんだ過去はどうなるの?
相手はその事に関しては、過去のどうでもいい事にしているのに?
同じ弁護士になったら、私のこの思いを伝えられない。
私の悲しみを伝えられない。
私の怒りを伝えられない・・・。
同じ弁護士なら、異界の住人と行動を共にしなければいけなくなる。
また、モヤモヤした気持ちを心の中にしまわなければいけなくなる。
異界の住人の言う円満離婚なんて、相手の思うつぼ。
私は私と子供達のために、自分の弁護士さんをお願いして戦う決心をした。