レッスルキングダム17・観戦記その2 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

セミまでの目玉と言えば、やはり武藤敬司の新日本プロレスラストマッチの6人タッグだった。ただ、面子を見ても顔見世的な試合であり、実際武藤がリング上に居た時間は2分もなかったのではないかと思う。なので、内容を期待する試合ではなかったものの、今大会からようやく歓声が解放されたので、久々の内藤コールが一番の目玉だったかも知れない。

 

さすがにコロナ以前ほどではなかったものの、それでも聞き取れるぐらいには内藤コールは起きていた。今のトップクラスはコールがしづらい入場曲ばかりなので、やはり内藤の入場と言うのは楽しみの一つであるに違いない。

 

セミ前はIWGPJr.の4WAY戦が行われたが、3WAY戦以上の試合はレッスルマニアでも幾度となく行われたあちらでは有名な試合形式である。しかし、王者が絡まない結末でもベルトが移動してしまうというのは今でも違和感があるので、個人的には好きではなかったりする。

 

そして、今大会最大の目玉だったのがセミファイナルの「ウィル・オスプレイVSケニー・オメガ」だ。この2人が対決するという時点でとんでもない試合が行われるだろう、と言うのは誰もが思わざるを得ないだけに、これが一番楽しみな試合だった。まず、ケニーが何の入場曲で来るかが個人的な焦点であったのだが、そのものずばりの「片翼の天使」、しかもオーケストラバージョンを選択してきた。本人もセフィロスを彷彿とさせるコスチュームで現れたが、これらが実にハマっておりラスボス感満載だった。

 

そして対するオスプレイ、こちらはいつもの曲かと思いきや、途中でフェードアウトしてスローテンポな前曲のサビのインストが流れる。そして、「Return of Assassin」の文字が映し出され、これはもしかしてと思ったらやはり以前のテーマ曲である「ELEVATED」が流れた。今の曲も悪くはないとは言え、やはり個人的には前作の方が絶対に似合っていると思っていたから、流れた瞬間におおっと思ったものである。

 

試合はもう語るまでもない凄さであったが、さすがにコーナーポストを外した状態でDDTを決め、オスプレイが大流血に陥ってグロッキー状態になった時には「このまま試合を続けられるのか」と本気で思ったものである。しかも、DDTを決めた時にはこちらに背を向けた状態であったから、本当に金具で切ったガチ流血かなとも思っていたし、出血の多さからもこれはヤバいのでは、と思ったものである。

 

あとでワールドで見返した際、実はそうではなかったと判明するのであるが、それでもオスプレイがなかなか立ち上がれず、あわやカウントアウトと言う時にケニーがあえてカウントを止めさせた事からも、かなり深刻なダメージを受けていたのだろうと思ったものだ。辛うじて試合は継続されたものの、オスプレイの動きが目に見えて悪くなっていたので、この時はかなり本気で応援したものである。

 

オスプレイがスタイルズクラッシュを出した辺りから会場の興奮は頂点に達し、ここからオスプレイが勝利してこそプロレス、だと思っていたのだが、その願いも空しくスポット参戦のケニーにまさかのフォール負け。ここまで新日本プロレスに貢献してきたオスプレイ、この大舞台で勝利させてあげたかったものである。