アーケードゲームを愛す・その27 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

「ダライアスII」のサントラは、1990年度のゲーメスト大賞ベストサントラ受賞作品である。しかも、当時大本命とされていた「グラディウスIII」のサントラに大差をつけての受賞だったものだから、余計に価値があるものであった。しかし、実際にゲーマーに支持されていたのはタイトルの「ダライアスII」ではなく、カップリング、悪く言えばおまけである「ナイトストライカー」の方であったのだ。

 

「ナイトストライカー」自体は、ベストVGM賞を受賞する事は叶わなかったのだが、これはひとえに普及台数のハンデが大きかったと思われる。そういう訳で、このサントラをきっかけとして、ゲーマーの間にその出来の素晴らしさが一気に広まったという訳なのだ。

 

もちろん、ゲーメスト大賞の発表は毎年12月の事だったので、私的にはリアルタイムで知った訳ではない。つまり、当時のゲーメストのバックナンバーを入手してからと言う事の話であった。当時、通販はもちろんだが、実は町田の福家書店と言う、プレジャーキャッスルとYOU2にほど近い本屋にて、常時バックナンバーが売られていたのである。ストIIが出るまでの2年間ぐらいはゲーメストの売れ行きがあまりよろしくなかったらしく、1990年度のゲーメストはかなり後まで売れ残っていたのだ。

 

唯一、グラIIIのキューブ攻略が掲載された4月号だけは完売してしまったので、これだけは当時入手する事が出来ず、10年後にヤフオクでようやく入手する事が出来たものである。なので、私が「ダライアスII」のサントラを買ったのも、この時のバックナンバーを買った頃、と言う訳である。

 

これは地元のCD屋で買えたのであるが、噂通り非常に出来が良く、私にとっては未知のゲームであったにも関わらず、それは何度も繰り返して聴いたものである。特に市街地や海、トンネル、そして空面などは特に格好良く、非常に中毒性が高かったものだった。という訳で、おそらくこれをきっかけとして、前述の「ニンジャウォーリアーズ」のサントラなども買ったのだと思う。

 

「ニンジャウォーリアーズ」はご存じのよう、1988年度のベストVGM大賞受賞作である。全ての曲が総じてレベルが高いのであるが、やはり最も名高いのは1面と6面で流れる、もはやイメージテーマと言っても良い「Daddy Mulk」であろう。同年の「グラディウスII」もかなり出来が良かったはずなのに、何故受賞出来なかったのか疑問であったのだが、実際にこれを聴いたら「これは当然だな」と納得したものである。

 

1980年代を知るゲーマーにとっては、今なおこの「Daddy Mulk」が最高峰であり、次点でアウトランの「マジカルサウンドシャワー」と言うのが今なお鉄板である。もちろん、それ以外にもアーケードの名曲というのは星の数であるが、それでも「Daddy Mulk」よりも上に来る曲と言うのはなかなかないのではないのだろうか。私的にも、史上最高のVGMはと問われたら、迷わず「Daddy Mulk」を挙げる。