アーケードゲームを愛す・その14 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

しばらく大和駅周辺で遊んでから鶴間へ戻ると、すでにゲーメストが着いておりグッズを販売していた。この時点で数日後発売のストII増刊は売り切れてしまっていたが、その代わりに買ったのがストIIのビデオである。7月にポニーキャニオンから発売されたので、ゲームビデオとしてはかなり早く発売されたという事になるだろう。しかし、その分内容は当然シンプルなパターンのみであり、リュウのみ通しプレイであとは1ラウンドのみという構成であったのだが、ほとんどが投げはめに終始していた。

 

しかし、それでも攻略としては大いに役立ち、クリアするだけであったら十分有益なものだった。そもそも、アーケードゲームであるが故に、ストIIの画面を家で見れる、というだけでもその価値はあったものである。これでようやくある程度進めるようになった私は、翌月に本厚木のゲームファンタジアにて、ようやくリュウでワンコインクリアを達成する事が出来た。初プレイからなんと3ヶ月後の事である。

 

この頃になると、さすがにストIIブームも落ち着きが見えはじめ、順番待ちを示すコイン置きをしなくてもプレイ出来るようになっていった。また、ゲーメストの投稿でもあったが、ストIIをやるつもりがなくても、台が空いていると勿体無くてついコインを入れてしまうというのがゲーマーの習性と化していたものであえる。

 

そこからは全キャラクリアを狙うのが常であったが、私はそれを目指さずにひたすらアッパー昇龍拳の練習に費やしていった。クイーンエイトでは自在にそれを扱うプレイヤーが多かったので、自分もそこを目指したかったという訳である。基本的には車のボーナスステージで練習するのであるが、ここだと早めにレバーを入れても投げにならないので、簡単に出す事が出来た。そこでコツを掴んでいき、しばらくすると実戦でも使えるようになっていったかと思う。

 

そして、ちょうど私の親友もストIIに熱中していたので、その辺りから対戦を始めていった。当時、対戦台はまだ存在していなかったので、世間でそれがトレンドになる前からやっていたという事になる。そして、私はリュウがメイン、彼は本田とザンギがメインと、お互いガイルもダルシムも使わなかったので、キャラで揉める事もなかった。

 

また、話は前後してしまうが、前述のオレンジハウスにて始めて立ちスクリューの存在を目の当たりにした。当時、スクリューはジャンプしてから出すというのが常識だったので、自在に地上からスクリューを出しまくる光景に目を丸くしたものである。これは、本誌で紹介される前に、増刊で紹介されたのであるが、「レバーが斜め上に来たあたりで押す」などというアナログな解説しかされていなかった。

 

実際はレバーを早めに回して、ジャンプする前にボタンを押す、みたいな感覚なのであるが、当時の私は前述の解説そのままに入力していたため、なかなか出す事が出来なかった。結局、ある程度出せるようになったのはストIIダッシュが出てからの事となった。