前回触れたように、ストII以外にもそれなりに様々なゲームが発売され、そしてプレイしていったものであったが、それでもストII人気はあまりにも凄まじく、その前にはほとんどのゲームがかすれてしまうほどだった。しかし、まだまだ当時の私にとっては6ボタン操作はあまりにも敷居が高く、ほとんどの場合で2面ぐらいで終わってしまっていた。
そんな夏休み明けの9月、ゲーメストでは単独ゲーム初となストリートファイターII増刊が発売された。さすがにゲーメストだけあって非常に出来が良く、これさえ読めば誰でも全キャラでCPU戦をクリア出来るというほどであったかと思う。この辺りからようやく私もそれなりに進めるようにはなったのだが、それでもワンコインクリアの壁は厚く、この月にはまだクリアまで至ってはいなかった。
そして、この少し前からゲーメストがキャラバン的なイベントを開始し、月に1回ゲーセンに赴いてストIIの対戦やグッズ販売をするというものだった。手元にゲーメストがないので、イベント名は失念してしまったが、この9月に選ばれたのが神奈川県大和市のオレンジハウスだったのである。
当時、大和市には行った事がなかったのであるが、小田急江ノ島線の鶴間駅から徒歩5分ぐらいの場所にあったので、家からでも30分ほどで着く場所だった。当然、友人を引き連れて向かっていったのであるが、この地図がどうにも分かりづらく、かなり迷ってしまったのである。この時、大学生っぽい人と遭遇し、一緒に探し回ったりもしたのであるが、前述のように駅から5分程度の場所であり、商店街を歩けば一瞬で見つかるというものだった。
到着時はまだゲーメストの人たちは着いておらず、当然店内は満員だったため、彼らが来るまで大和駅まで移動して、その辺りのゲーセンをうろうろしていたものである。そこで覚えているのは、初代ストリートファイターのテーブル版を見つけた事だ。当時、すでに発売から4年も経っていたのであるが、ストIIの相乗効果もあってそれなりに見かける事が出来た。もちろん、ほとんどがテーブル版であり、相武台前駅のそばにあったクイーンエイトのみアップライトが置いてあったものである。
もちろん、このアップライト版の方が遥かに面白く、また必殺技も出しやすかった。イコール、テーブル版では必殺技が非常に出しづらく、6ボタンで操作しやすい分、必殺技が出づらいバランスにしているのだろう、と皆思っていた。その真意がようやく判明したのが最近であり、これは以前も触れたが、要はボタンを離した時のみに反応する、というものだった。つまり、一瞬で押すようにすれば出るという訳である。これはゲーメストでも解析出来なかったので、もし当時知っていればもう少しテーブル版も楽しめていただろう。