アーケードゲームを愛す・その6 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

そのファミ通の冊子により、アーケード版グラIIIをプレイしたいという願望が一気に沸いてきた私であったが、それでも色々重要なテストがあったりしてすぐにゲーセンに行くことはなかった。それが終わると一段落し、3月にはようやくSFC本体を買ったりもしたのであるが、翌月に仲の良い友人と同じクラスになった事をきっかけとして、遂にグラIII目当てでゲーセンに足を運んだのだ。

 

もちろん、どこになんのゲーセンがあるとかは全く分からなかったので、以前触れた小田急相模原駅前の「ペンギンハウス」へと足を運んだ。もちろん、グラIIIが発売されすでに1年3ヵ月、あまりインカムは良いとは言えなかったゲームだけあってある確率の方がよっぽど少なかったのであるが、なんと奇跡的にもあったのである。

 

もし、このゲーセンにグラIIIがなければ当然プレイする事はなかっただろうし、それがきっかけでゲーセンに足を運ぶこともなかっただろうから、これは何とも運命的な出会いである。もちろん、早速プレイしていったのだが、当然1面でなすすべもなくゲームオーバー。難しいとは知っていたものの、さすがにSFC版グラIIIの難易度アーケードなどとは次元が違っていた。ただでさえ難易度が高いアーケードゲーム、その中においてさらに別格の難易度とされたグラディウスIIIである。この時点で、家庭用で培ってきた技術などほとんど役に立たない事を理解したのだ。

 

それでも、めげずにプレイし、ビギナーとは言え一応2面までは行けたかと思う。しかし、結局その日はそれで終わった。あとは、まだ置いてあったテトリスや、ワールドスタジアムなどをプレイして帰ったと思う。当時、まだゲーセンにひとりで行くのは抵抗があったので、友人の都合もあるためにしばらく通う事はなかった。また、当時のコナミはのちのパワプロや、音ゲーのような定番がなく、割とセールス的には苦戦していたかと思うが、ユーザーにはフレンドリーなイメージがあり、ファミマガの「芸夢工房」で生まれた「ラグランジュポイント」が発売されたのもこの月末だった。

 

1ヵ月ほど経って再び訪れたのだが、まだグラIIIは置いてあった。相変わらず難しかったが、この時点では友人の方がゲーセン慣れしていた事もあって、彼の方が先に3面到達を果たしたかと思う。2面突破には2面ボスが大きな壁となったのだが、SFC版では単なる雑魚であるバブルアイは、アーケード版ではかなり手強く、なかなか突破する事は出来なかった。実は完全パターンであり、特攻してくる前にオプションを固めていけば楽勝なのだが、オプションを上手く使うというアイデアさえ思い浮かばなかったので、友人が構築するまでなかなか倒せなかったものだった。

 

また、当然レバーも慣れないものだったので、最初のうちはずっと1速でプレイしていったものである。グラIIIは他シリーズほどスピードが速くなく、3速で行くのが常識なのであるが、その中において1速である。幸い、グラIIIはオプションの幅が広いので、それでもある程度はなんとかなったものの、1速ですら苦労するレバーさばきなどは今では想像もつかないものだ。