ネオジオを愛す・その3 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

「餓狼伝説2」と言えば、ゲーメスト誌上にて過剰とも言えるほどのプッシュがされていた事がまず挙げられる。実際にSNKとそんな話があったらしいが、発売間もない頃からゲーメスト増刊、そしてゲーメストビデオまでもが発表されたりと、正直言って読者が引くぐらいのプッシュがされていたものだった。当時、単独ゲームの増刊はストIIとダッシュの2つしかなかった事、つまり出て早々の「餓狼伝説2」がすでに生ける伝説と化していたストIIと同格レベルの扱いを受けていたという事になる。正直、ストIIに魅せられた自分としてはそれはないだろう、と言った感覚だった。

 

ただ、それだけのプッシュがあっても、当時はストII以外の格ゲーをプレイする気はあまりならず、発売時点でもまだ手を出す事はなかった。それに変化が生じたのは、年明けの連休に神田のマルゲ屋に足を運んだ際、ちょうど餓狼2の対戦大会が行われていたからである。あの狭いお店全体が埋まるぐらいの盛況であり、ほとんどゲーム内容が分からないにも関わらず、しばらくそこで対戦を眺めていたものである。

 

それからようやくプレイするようになっていったのだが、同じ格ゲーでありながらまるでストIIとは異なる操作感覚、そして何よりも必殺技のコマンド受け付けが厳しく、レバーのメンテによってはほとんど出ない事があったのが何よりもしんどかった。また、ストIIに比べるとまだモーションが滑らかではなく、ジャンプの軌道も不自然に見えるなど、ストIIに慣れ切った私としてはどうにも違和感はぬぐえなかった。何より、とにかくCPUが強く、ライン移動からの投げを使わないとまともに勝てる事も出来なかったのである。

 

結局、さわりだけで止めてしまった私は、再びストII、当時はダッシュターボへと戻っていってしまった。そして6月、前年ひっそりとリリースされ、あまり話題にもならなかった「ワールドヒーローズ」の続編である2が発売された。これは当時のネオジオの勢いもあり、ゲーメストでも大きく紹介され、なんと2年以上もストIIの天下が続いたゲーメストの人気ランキングにおいて、初めてその牙城を崩したゲームとなったのだ。まあ、結局それ一回こっきりであったのであるが、初期はかなり食いつきが良かったのは確かである。

 

正直、その要因ははっきりとは分からないのであるが、私が思った範疇としては、独特のテイストだった餓狼2よりもかなりストIIクローンに近く、特に主人公のハンゾウがリュウと酷似していたため、ストIIプレイヤーが入りやすかった事、Aボタンの連射による連続技などが心地よかった事など、が挙げられるかなとは思う。ただ、これも例にもれずCPUの難易度がかなり高く、パターンにはめないとせいぜい3人目程度で終わってしまうという感じだった。

 

そんな感じで初期の人気は高かったものの、そんなCPUの難易度もあり急激に人気は低下、人気1位も1ヵ月天下で終わってしまったものの、1993年度のゲームの中では光ったゲームであった事は間違いはなかった。