2017年7月発売以来、5年近くも愛されているRAPのNモデルが、何の告知もなくこの2022年2月下旬出荷モデルよりリニューアルされていた。それはガワを見れば一目瞭然、なんと天板を止めていた六角ビスが丸々なくなっており非常にすっきりした見た目となったのだ。まあ、ぶっちゃけ言うとそれだけの違いなので、機能的には違いは皆無に等しいと言っていいのであるが、それでもこれだけの違いであっても大きく印象は変わるものである。
他には違いと言う違いはない。Hayabusaパーツも従来のままである。一部では静かになったとかと言う話もあるが、私が触った限りでは大きな違いはないだろう。ファイティングスティックαと比べても、やはりこちらの方が若干響く感じがするし、静穏性と言う部分では分が悪い。しかし、それでもこのRAPNは今でも十分お勧めのモデルと言える。現在、HORIはほぼノアール配置がスタンダードと化しているので、ボタン配置における大きなメリットこそなくなったものの、それでも天板の広さからくる安定感は大きく、抜群の安定性もあって膝置きの人には特にお勧めだ。
安定感と言えばファイティングエッジに一歩譲るものの、あちらは逆に大きすぎ、さらに天板も冷たすぎ、静穏性も特に高くはない事もあって余程エッジに拘りさえなければNで十分だろう。そして、何よりこのNが使いやすいと言えば、タッチパッド以外のボタンが全て左上に配置されている事である。正直、RAPVやファイティングエッジの真横配置は使いずらい事この上ないのであるが、一向にHORIはこれをやめようとしないのである。そこまで誤タッチする事などはあまりないとは思うのであるが、そういう意味でもこのNはとても使いやすい。
しかし、今ではファイティングスティックαがさらに機能的となっており、価格的にも大差はないため、Nならではのメリットとも言い難くなってしまった。その中でまだNがアドバンテージを誇っていると言えば、連射機能である。正直、ほとんどのシューティングやアクションで連射ボタンが設定出来るので、昔に比べると存在意義は薄い。しかし、格ゲーなどは当然ソフト連射がなく、また今日の大概のアケコンも連射なしなので、初代PSソフトや、格ゲーの移植をプレイする時などはいまだに役に立つのだ。特に、初代ストIIの百裂や電撃を出すのには重宝する。
残念なのは、PS4モードにするとPS3では機能しなくなってしまう、という事だ。つまり、PS3モードのみと言う事は当然遅延もそれ準拠となってしまうので、それに拘る人には使えるとは言い難い。ただ、それはあくまで特殊な使い方レベルなので、他の優れた機能もあって普通に使うには十分すぎるだろう。
Hayabusaパーツには未だに反発を覚える人も多いので、多くの人は三和電子に換装してしまう事だろう。個人的にはそこまで悪くもないとは思うのだが、レバーを限界まで倒した時のガコガコ感が未だに気になる。それを嫌がって、三和に交換してしまう人も多いと思われるので、もし次回作が出るのであればその辺りをもう少し改良してもらいたいものだ。